2008年10月6日月曜日

Slam Dunk46


残り時間8分40秒・・・。
「赤木」が調子を取り戻し、「桜木」の集中力が上がったために、湘北の勢いが増してゆく。
相変わらず「桜木」のゴール下シュートは入らないが、何度も自らリバウンドを取ってしまう迫力に「福田」が慄いている。
ん・・・・何に慄いているんだろう?
あまりにシュートが下手だからか?・・・(汗)
だが、「仙道」がそれを叩き落して、陵南ボールになってしまう。
「何度も撃たせるかよ。」
まあ、当然だな(笑)
速攻で「仙道」がボールを運ぶが、パスをすると見せ掛けるフェイクで、自らシュートを狙った。
しかし、「赤木」はそれを完全に読んでいたため、「仙道」の前に立ちはだかる。
「赤木」は何故「仙道」のフェイクを読んでいたのか・・・。
それは「仙道」の行動や表情を見れば解かる。
陵南チームは、「魚住」を欠いて以来、防御力が半減した。
それに加えて、湘北が勢いづいてきたために、陵南選手一人一人が自分の非力さを実感してしまっていたのだ。
それを「仙道」は感じていたみたいだね。
よく見ていると、時折ため息をつく場面がある。
つまり、「仙道」は陵南チームの中で、戦力として動けるのは自分だけだと思ったんだよ。
だから、速攻で走った時、他のメンバーにボールを回さず、自分でシュートを決めようとした。
「赤木」はそのことを気づいていたんじゃないかな?
この時「仙道」のフェイクを読んだのは、「赤木」も「仙道」しか攻撃できないと解かっていたからだと思う。


陵南の次の攻撃も、「赤木」に阻まれてシュートが撃てず、パスを回そうとする。
そこを「宮城」がカット。
即、攻撃に転じた。
「宮城」は、「赤木」に付いている選手がそれほど実力が無いことに気づき、「赤木」にボールを回す。
予想通り「赤木」は難なくシュートを決めた。
次もすぐに湘北がボールを奪って、攻撃に回る。
「仙道」は「赤木」に「福田」と「菅平」のダブルチームで押さえるよう指示。
しかし・・・「赤木」はあっけなく2人を抜いてゴールを決めてしまう。
もう誰にも「赤木」を止めることはできないだろうと思われた。


この開花した「赤木」を見て、海南の「牧」は昔の「赤木」を思い出していた。
その頃の「赤木」は、彼自身に実力があっても、それを活かしてくれる仲間がいないことがネックになっていた。
彼だけが走り回り、力を使い果たして負ける・・・そんな試合ばかりだったんだろう。
バスケはチームでやるものだからな・・。
1人が強くても、敵は5人いるわけだから、1対5では負けるに決まっている。
今「赤木」が実力を出せるのは、他の強力な4人がチームとして揃ったからだろうね。


素早いパス回しで、「赤木」から「流川」、「宮城」、「赤木」、「三井」・・・・そして「桜木」にボールを回してシュートを決めた。
さすが・・・おまけの「桜木」をも活かす湘北チーム(笑)
この好プレーに会場の声援も一段と大きくなる。


とうとう「田岡監督」が動いた。
これ以上離されたら、陵南は湘北に追いつけなくなる・・・。
そういう崖っぷちになって、やっと「魚住」投入を決意。
これで「仙道」の負担が軽減できる・・・と思った矢先に、「宮城」の見事なカットで、湘北の攻撃となってしまった。
速攻で「宮城」「流川」「桜木」が走る。
今回は「宮城」がやたらと元気いいな(笑)
『柔よく剛を制す』という言葉があるが、まさに「宮城」にピッタリの言葉だと思う。
普通小さいことは短所と思われがちだが、認識を変えれば短所は長所にも成り得るのだ。
個性や特徴は、一つの側面からだけで見てはならないと思う。
どんな場合でもそれを活かすことが可能だからだ。
「田岡監督」は「魚住」に「デカいことは才能だ」と言っていたよな。
それなら僕は「宮城」に「小さいことも才能だ」と言ってやりたい。
要は、それをどう活かすかだからね。


速攻で走る3人の前に、素早く「仙道」が立ちはだかった。
「ここは絶対にやらん。」

さあ、「宮城」・・・どうする!


2008年10月4日土曜日

Slam Dunk45


リバウンドを取った「桜木」は「宮城」にパス・・・「植草」をフェイクでかわし、「流川」にボールを回した。
「仙道」が「流川」をディフェンスで押さえようとするが、「三井」の声に反応したフリで、「流川」はリング近くにボールを放った。
「仙道」は不意を突かれボールの行方を追うが、そこには「赤木」の姿があった。
「アリウープだ!」
空中でボールをキャッチした「赤木」はそのままダンクを決めた。
この技はカッコイイな・・。
リングにぶら下がってても、変に見えない(笑)
「ゴリ」でもいいか・・とさえ思ってしまうくらい「赤木」の株急上昇だ。
「魚住」はショックを隠しきれない。
しかし動揺したのは「魚住」だけじゃなかった・・・。
「流川」と「桜木」も「赤木」のアリウープには度肝を抜いたらしく、心密かに焦っているようだ。
たぶん・・「ゴリ」にだけは負けたくない・・とでも思ったんだろうな(笑)


湘北のこの勢いに「小暮」のメガネが光る・・・(笑)
まるで「安西先生」のようだな・・。
「福田」が焦ってゴールを決めようとしたが、距離が届かずリバウンド争いとなる。
この場面でも「桜木」が競り勝ったように見えた・・・が、指先で何度も弾いているうちに、ボールがリングに入ってしまうというアクシデント発生。
「仙道」からも「福田」からもお礼を言われる「桜木」だった(汗)
あいつ・・・いつから陵南メンバーに加わったんだ?


それでも湘北の勢いは止まらなかった。
中、外、中・・・というような相手を翻弄する切り替えしで、ディフェンスの網を掻い潜ってゴールを決めてくる。
リードを奪われっぱなしの陵南は、焦りを隠せない。
しかし・・・その時に「仙道」が手を叩いた。
「1本だ。 落ち着いて1本いこう。 まだ慌てるような時間じゃない。」
「仙道」のこの言葉に、陵南メンバーが我に返る。
残り時間9分30秒・・・確かに時間はまだある。
まったく・・「仙道」の精神力は並じゃないな。
この場面でこんなに冷静に判断できるのは、「仙道」がきっちりとゲームを把握していたからだろう。
そしてそれを一瞬でメンバーが理解できるほど、「仙道」の言葉には説得力があるんだな。
監督も頷いているが・・・・本当なら監督が言うべき言葉じゃないのか?(汗)
「仙道」は、なんとなく翔陽の「藤真」のようだな。
選手でありながら監督も兼任しているみたいな・・・。
もしかして・・・監督・・・要らねぇ?


「仙道」の言葉で奮起した「池上」は、「桜木」のディフェンスをフェイクでかわすが、「桜木」の運動能力の方が上なのでどうしてもシュートを決められない。
ここにきて「桜木」は集中力がアップ・・・「桜木」の頭の中には勝つことだけだった。
そうだな・・・・「流川」もそうなんだが、いいプレーが連続する時って、無心で勝つことだけしか考えてないよな。
この集中力というのは大事なようで、僕もいい文章を書いた時は物凄く集中してるみたいなんだ。
何かを形にしようと思った時、余計なことをすべて削り落としたシンプルな状態が一番いいんだよ。
つまり、自分の思考の過程から雑念を排除できれば、出来上がったものも余計なものが何も無いベストな状態になるんだと思う。
人間の思考にはよく雑念が入る・・・。
ラジオでもテレビでも、ノイズが入ると聞こえ難いよな。
音質をクリアにしたものは、とても耳に心地よくて聞き易い。
それと同じなんだと思うよ。
集中すると雑念が消えるのは、一つの思考だけになるからなんだろうな。
つまり、人間はいろんな思いを抱きながら生きていて、集中するっていうことはその思いのベクトルを一つの方向に集約した形にすることなんじゃないだろうか。
集中力をつけるには、好きなことをするのが一番だろう。
誰でも好きなことに没頭している時って、他のことが全部排除されてしまうからね。


「赤木」の活躍を見て、「魚住」は居ても立ってもいられない様子だ。
「田岡監督」に詰め寄って、コートに戻してくれるよう頼んでいる。
でも監督には作戦があった。
「魚住」を投入するのは、もう一度陵南に勢いが戻った時だと決めているようだ。
どうやら湘北には不安要素がいくつかあって、それが表面化した時がチャンスだと監督は思っている。


さて、その不安要素とはいったい・・・?


2008年10月2日木曜日

Slam Dunk44


ベンチに下がった「魚住」に向かって「田岡監督」が文句を垂れている。
「自分を抑えることができなきゃ、一生赤木には勝てん。」
うーん・・・陵南の監督と僕の意見は違うみたいだな・・。
僕は、あの場面で「魚住」が「桜木」をブロックしたのは良かったと思ってる。
「桜木」の真剣でがむしゃらなプレーを前にして、突っ立ってるだけなんてできないと思うけどな・・。
だってあの時、「桜木」はきれいなフォームでシュートしようとしていたんだ。
あのままシュートをしていたら、きっと入っていたと思うよ。
だからあの時「魚住」はブロックして正解だったんだよ。
ファウル4つはキツいけど、この場合仕方ないと思うべきなんじゃないかな?
「魚住」はあれだけの巨体だし、前半戦ではかなり活躍している。
・・・なのにどうして「赤木」に勝てないなんて言うんだろう・・・。
例えば、メンバーの誰かにそう言われたのなら、「魚住」は逆に奮起したかもしれない。
でも、監督に言われたら・・・立ち直るにも立ち直れないじゃないか・・。
監督の言葉って、選手にとってはとても重いものなんだよ・・。
悪い時に悪いというのは簡単だよ。
悪い時にこそ、そこから抜け出せるような言葉を掛けてあげなきゃいけないんじゃないのか?


「桜木」にフリースローが与えられ、2本とも外す・・・(汗)
しかーし、自らリバウンドを取り、素早く「三井」にパス。
「三井」はフリーのままスリーポイントシュートをきれいに決めてしまった。
これで湘北が逆転した。
「堀田番長」・・・号泣・・・。
さすが番長だけあって、泣くのも豪快だなぁ(笑)


陵南の攻撃になり、「福田」から「池上」にボールが渡るが、「桜木」の激しいディフェンスに動けなくなる。
しかしなんでフンフンディフェンスじゃないんだ?
こういう時こそ、フンフンディフェンスを役立てないとなぁ・・・。
「桜木」はボールをカットして、「仙道」にパス(笑)
「仙道」が嬉しそうにボールを受け取る(サンキュー・・笑)
でも「仙道」がボールも持った途端に、「流川」と「宮城」が押さえ込もうとする。
「仙道」は「菅平」にパス・・・そのままシュートへ・・・だが「赤木」のハエ叩きが炸裂。
「魚住」の代わりに入った「菅平」では、「赤木」に対抗するのは難しかったようだ。
今度は湘北が攻撃を開始・・・「三井」から「流川」・・そしてシュートするがリングに当たって、リバウンドを「赤木」が取る。
即座に「桜木」にパス・・・ゴールを決めた。
残り時間10分で3点リードして、湘北が勢いづく。


この間・・・「魚住」には我慢の時間帯となる・・。
「魚住」がバスケ部に入部し立ての時、周りの練習について行けず、途中で何回もへばりそうになった。
その「魚住」に怒鳴り散らして、誰にも手助けさせないよう指導する「田岡監督」。
「田岡先生は・・・鬼に思えた。」
いや、鬼だと思うよ(汗)
だって、毎日吐くほど練習させられるんだよ。
「魚住」も辞めたいって何度も思ったくらいだ。
何故そう思ったか・・・・それはたぶん「魚住」だけが叱られていたからだろう。
「魚住」だけじゃなかったら、そんなことは思わなかっただろうな。
先輩たちも陰口を言っていたのを知っている。
つまり、練習の名を借りた集団リンチだったんだと思う。
こういうことは、よくあることなんだ。
誰かが的になっている間、他の部員は安全でいられる。
それを知っているから、「魚住」を誰も助けようとはしなかった。
その先頭に立ってやっていたのが、監督なんだから部員は誰も口答えができない。


僕はこのやり方には反対なんだ。
根性を鍛えるとかいいながら、実は一番大事なものを見失ったやり方なんだって思う。
バスケは、チームプレイなんだ。
試合中誰かがミスすれば、他の誰かがフォローしなければならないはずだ。
それは日頃のチームワークから生まれることなんじゃないのか?


僕がバスケ部にいた時にも、似たようなことがあった。
ある日を境に部員が全員口を聞かなくなったんだ。
理由なんて分からなかった。
それは学年が変わるまで続いた。
練習のキツさと重なって、それは精神的圧力を僕に与え続けた。
練習の苦しさは我慢することができたが、精神的な苦痛は耐え難かったよ。
バスケが好きだったから・・・それだけで耐えてきたように思う。
技を磨くことよりも、周りの圧力に一日耐えることで日々が過ぎていった。
こういう目に遭った人は少なくないと思う。
でも・・どこにでもあること・・・で、僕は済ませたりしたくないんだ。
どうか、こんな状況はできるだけ作らないで欲しい。
イジメによる自殺が多発した時、僕は悔しかったよ。
学校で僕と同じような目に遭った子がたくさんいたんだと思ったよ。
誰でもいい・・・一人でもいいから、そいつの味方になってやってくれないか。
一人でも味方がいれば、その子は頑張って生きていられるかもしれないから・・・。


「魚住」は体育館の裏で吐きながら泣いていた。
そこに監督が来て、話をするんだが、恐らくやり過ぎたと思ったんだろうな。
黙って我慢していれば、「魚住」の苦しさなんて誰も気づきもしないから・・。
監督は「体力や技術は身に付けさせることができるが、体をデカくすることはできない」と言う。
その言葉を聞いて「魚住」は奮起したように描いてあるけど、実はそうじゃないと思うよ。
「魚住」がバスケを続けることができたのは、自分と同じ立場にあるライバル「赤木」と自分をフォローしてくれる「仙道」がいたからだ。
「仙道」はああいう性格だから、精神的にも「魚住」を支えていたんじゃないだろうか。


陵南の監督はよく「褒めて伸ばす」とか「叱って伸ばす」とか、選手個人に対してかなり偏った考え方してると思う。
場合によっては、どっちも必要な時があるだろ?
「福田」の時は失敗した・・なんて言ってるし・・・(汗)
それじゃ反抗しなければ上手くいったと勘違いしかねないな、この人・・。

なんかさ・・・「桜木」が「じじい」って呼ぶ気持ち・・・解かる気がする・・・。