2008年10月6日月曜日

Slam Dunk46


残り時間8分40秒・・・。
「赤木」が調子を取り戻し、「桜木」の集中力が上がったために、湘北の勢いが増してゆく。
相変わらず「桜木」のゴール下シュートは入らないが、何度も自らリバウンドを取ってしまう迫力に「福田」が慄いている。
ん・・・・何に慄いているんだろう?
あまりにシュートが下手だからか?・・・(汗)
だが、「仙道」がそれを叩き落して、陵南ボールになってしまう。
「何度も撃たせるかよ。」
まあ、当然だな(笑)
速攻で「仙道」がボールを運ぶが、パスをすると見せ掛けるフェイクで、自らシュートを狙った。
しかし、「赤木」はそれを完全に読んでいたため、「仙道」の前に立ちはだかる。
「赤木」は何故「仙道」のフェイクを読んでいたのか・・・。
それは「仙道」の行動や表情を見れば解かる。
陵南チームは、「魚住」を欠いて以来、防御力が半減した。
それに加えて、湘北が勢いづいてきたために、陵南選手一人一人が自分の非力さを実感してしまっていたのだ。
それを「仙道」は感じていたみたいだね。
よく見ていると、時折ため息をつく場面がある。
つまり、「仙道」は陵南チームの中で、戦力として動けるのは自分だけだと思ったんだよ。
だから、速攻で走った時、他のメンバーにボールを回さず、自分でシュートを決めようとした。
「赤木」はそのことを気づいていたんじゃないかな?
この時「仙道」のフェイクを読んだのは、「赤木」も「仙道」しか攻撃できないと解かっていたからだと思う。


陵南の次の攻撃も、「赤木」に阻まれてシュートが撃てず、パスを回そうとする。
そこを「宮城」がカット。
即、攻撃に転じた。
「宮城」は、「赤木」に付いている選手がそれほど実力が無いことに気づき、「赤木」にボールを回す。
予想通り「赤木」は難なくシュートを決めた。
次もすぐに湘北がボールを奪って、攻撃に回る。
「仙道」は「赤木」に「福田」と「菅平」のダブルチームで押さえるよう指示。
しかし・・・「赤木」はあっけなく2人を抜いてゴールを決めてしまう。
もう誰にも「赤木」を止めることはできないだろうと思われた。


この開花した「赤木」を見て、海南の「牧」は昔の「赤木」を思い出していた。
その頃の「赤木」は、彼自身に実力があっても、それを活かしてくれる仲間がいないことがネックになっていた。
彼だけが走り回り、力を使い果たして負ける・・・そんな試合ばかりだったんだろう。
バスケはチームでやるものだからな・・。
1人が強くても、敵は5人いるわけだから、1対5では負けるに決まっている。
今「赤木」が実力を出せるのは、他の強力な4人がチームとして揃ったからだろうね。


素早いパス回しで、「赤木」から「流川」、「宮城」、「赤木」、「三井」・・・・そして「桜木」にボールを回してシュートを決めた。
さすが・・・おまけの「桜木」をも活かす湘北チーム(笑)
この好プレーに会場の声援も一段と大きくなる。


とうとう「田岡監督」が動いた。
これ以上離されたら、陵南は湘北に追いつけなくなる・・・。
そういう崖っぷちになって、やっと「魚住」投入を決意。
これで「仙道」の負担が軽減できる・・・と思った矢先に、「宮城」の見事なカットで、湘北の攻撃となってしまった。
速攻で「宮城」「流川」「桜木」が走る。
今回は「宮城」がやたらと元気いいな(笑)
『柔よく剛を制す』という言葉があるが、まさに「宮城」にピッタリの言葉だと思う。
普通小さいことは短所と思われがちだが、認識を変えれば短所は長所にも成り得るのだ。
個性や特徴は、一つの側面からだけで見てはならないと思う。
どんな場合でもそれを活かすことが可能だからだ。
「田岡監督」は「魚住」に「デカいことは才能だ」と言っていたよな。
それなら僕は「宮城」に「小さいことも才能だ」と言ってやりたい。
要は、それをどう活かすかだからね。


速攻で走る3人の前に、素早く「仙道」が立ちはだかった。
「ここは絶対にやらん。」

さあ、「宮城」・・・どうする!


2008年10月4日土曜日

Slam Dunk45


リバウンドを取った「桜木」は「宮城」にパス・・・「植草」をフェイクでかわし、「流川」にボールを回した。
「仙道」が「流川」をディフェンスで押さえようとするが、「三井」の声に反応したフリで、「流川」はリング近くにボールを放った。
「仙道」は不意を突かれボールの行方を追うが、そこには「赤木」の姿があった。
「アリウープだ!」
空中でボールをキャッチした「赤木」はそのままダンクを決めた。
この技はカッコイイな・・。
リングにぶら下がってても、変に見えない(笑)
「ゴリ」でもいいか・・とさえ思ってしまうくらい「赤木」の株急上昇だ。
「魚住」はショックを隠しきれない。
しかし動揺したのは「魚住」だけじゃなかった・・・。
「流川」と「桜木」も「赤木」のアリウープには度肝を抜いたらしく、心密かに焦っているようだ。
たぶん・・「ゴリ」にだけは負けたくない・・とでも思ったんだろうな(笑)


湘北のこの勢いに「小暮」のメガネが光る・・・(笑)
まるで「安西先生」のようだな・・。
「福田」が焦ってゴールを決めようとしたが、距離が届かずリバウンド争いとなる。
この場面でも「桜木」が競り勝ったように見えた・・・が、指先で何度も弾いているうちに、ボールがリングに入ってしまうというアクシデント発生。
「仙道」からも「福田」からもお礼を言われる「桜木」だった(汗)
あいつ・・・いつから陵南メンバーに加わったんだ?


それでも湘北の勢いは止まらなかった。
中、外、中・・・というような相手を翻弄する切り替えしで、ディフェンスの網を掻い潜ってゴールを決めてくる。
リードを奪われっぱなしの陵南は、焦りを隠せない。
しかし・・・その時に「仙道」が手を叩いた。
「1本だ。 落ち着いて1本いこう。 まだ慌てるような時間じゃない。」
「仙道」のこの言葉に、陵南メンバーが我に返る。
残り時間9分30秒・・・確かに時間はまだある。
まったく・・「仙道」の精神力は並じゃないな。
この場面でこんなに冷静に判断できるのは、「仙道」がきっちりとゲームを把握していたからだろう。
そしてそれを一瞬でメンバーが理解できるほど、「仙道」の言葉には説得力があるんだな。
監督も頷いているが・・・・本当なら監督が言うべき言葉じゃないのか?(汗)
「仙道」は、なんとなく翔陽の「藤真」のようだな。
選手でありながら監督も兼任しているみたいな・・・。
もしかして・・・監督・・・要らねぇ?


「仙道」の言葉で奮起した「池上」は、「桜木」のディフェンスをフェイクでかわすが、「桜木」の運動能力の方が上なのでどうしてもシュートを決められない。
ここにきて「桜木」は集中力がアップ・・・「桜木」の頭の中には勝つことだけだった。
そうだな・・・・「流川」もそうなんだが、いいプレーが連続する時って、無心で勝つことだけしか考えてないよな。
この集中力というのは大事なようで、僕もいい文章を書いた時は物凄く集中してるみたいなんだ。
何かを形にしようと思った時、余計なことをすべて削り落としたシンプルな状態が一番いいんだよ。
つまり、自分の思考の過程から雑念を排除できれば、出来上がったものも余計なものが何も無いベストな状態になるんだと思う。
人間の思考にはよく雑念が入る・・・。
ラジオでもテレビでも、ノイズが入ると聞こえ難いよな。
音質をクリアにしたものは、とても耳に心地よくて聞き易い。
それと同じなんだと思うよ。
集中すると雑念が消えるのは、一つの思考だけになるからなんだろうな。
つまり、人間はいろんな思いを抱きながら生きていて、集中するっていうことはその思いのベクトルを一つの方向に集約した形にすることなんじゃないだろうか。
集中力をつけるには、好きなことをするのが一番だろう。
誰でも好きなことに没頭している時って、他のことが全部排除されてしまうからね。


「赤木」の活躍を見て、「魚住」は居ても立ってもいられない様子だ。
「田岡監督」に詰め寄って、コートに戻してくれるよう頼んでいる。
でも監督には作戦があった。
「魚住」を投入するのは、もう一度陵南に勢いが戻った時だと決めているようだ。
どうやら湘北には不安要素がいくつかあって、それが表面化した時がチャンスだと監督は思っている。


さて、その不安要素とはいったい・・・?


2008年10月2日木曜日

Slam Dunk44


ベンチに下がった「魚住」に向かって「田岡監督」が文句を垂れている。
「自分を抑えることができなきゃ、一生赤木には勝てん。」
うーん・・・陵南の監督と僕の意見は違うみたいだな・・。
僕は、あの場面で「魚住」が「桜木」をブロックしたのは良かったと思ってる。
「桜木」の真剣でがむしゃらなプレーを前にして、突っ立ってるだけなんてできないと思うけどな・・。
だってあの時、「桜木」はきれいなフォームでシュートしようとしていたんだ。
あのままシュートをしていたら、きっと入っていたと思うよ。
だからあの時「魚住」はブロックして正解だったんだよ。
ファウル4つはキツいけど、この場合仕方ないと思うべきなんじゃないかな?
「魚住」はあれだけの巨体だし、前半戦ではかなり活躍している。
・・・なのにどうして「赤木」に勝てないなんて言うんだろう・・・。
例えば、メンバーの誰かにそう言われたのなら、「魚住」は逆に奮起したかもしれない。
でも、監督に言われたら・・・立ち直るにも立ち直れないじゃないか・・。
監督の言葉って、選手にとってはとても重いものなんだよ・・。
悪い時に悪いというのは簡単だよ。
悪い時にこそ、そこから抜け出せるような言葉を掛けてあげなきゃいけないんじゃないのか?


「桜木」にフリースローが与えられ、2本とも外す・・・(汗)
しかーし、自らリバウンドを取り、素早く「三井」にパス。
「三井」はフリーのままスリーポイントシュートをきれいに決めてしまった。
これで湘北が逆転した。
「堀田番長」・・・号泣・・・。
さすが番長だけあって、泣くのも豪快だなぁ(笑)


陵南の攻撃になり、「福田」から「池上」にボールが渡るが、「桜木」の激しいディフェンスに動けなくなる。
しかしなんでフンフンディフェンスじゃないんだ?
こういう時こそ、フンフンディフェンスを役立てないとなぁ・・・。
「桜木」はボールをカットして、「仙道」にパス(笑)
「仙道」が嬉しそうにボールを受け取る(サンキュー・・笑)
でも「仙道」がボールも持った途端に、「流川」と「宮城」が押さえ込もうとする。
「仙道」は「菅平」にパス・・・そのままシュートへ・・・だが「赤木」のハエ叩きが炸裂。
「魚住」の代わりに入った「菅平」では、「赤木」に対抗するのは難しかったようだ。
今度は湘北が攻撃を開始・・・「三井」から「流川」・・そしてシュートするがリングに当たって、リバウンドを「赤木」が取る。
即座に「桜木」にパス・・・ゴールを決めた。
残り時間10分で3点リードして、湘北が勢いづく。


この間・・・「魚住」には我慢の時間帯となる・・。
「魚住」がバスケ部に入部し立ての時、周りの練習について行けず、途中で何回もへばりそうになった。
その「魚住」に怒鳴り散らして、誰にも手助けさせないよう指導する「田岡監督」。
「田岡先生は・・・鬼に思えた。」
いや、鬼だと思うよ(汗)
だって、毎日吐くほど練習させられるんだよ。
「魚住」も辞めたいって何度も思ったくらいだ。
何故そう思ったか・・・・それはたぶん「魚住」だけが叱られていたからだろう。
「魚住」だけじゃなかったら、そんなことは思わなかっただろうな。
先輩たちも陰口を言っていたのを知っている。
つまり、練習の名を借りた集団リンチだったんだと思う。
こういうことは、よくあることなんだ。
誰かが的になっている間、他の部員は安全でいられる。
それを知っているから、「魚住」を誰も助けようとはしなかった。
その先頭に立ってやっていたのが、監督なんだから部員は誰も口答えができない。


僕はこのやり方には反対なんだ。
根性を鍛えるとかいいながら、実は一番大事なものを見失ったやり方なんだって思う。
バスケは、チームプレイなんだ。
試合中誰かがミスすれば、他の誰かがフォローしなければならないはずだ。
それは日頃のチームワークから生まれることなんじゃないのか?


僕がバスケ部にいた時にも、似たようなことがあった。
ある日を境に部員が全員口を聞かなくなったんだ。
理由なんて分からなかった。
それは学年が変わるまで続いた。
練習のキツさと重なって、それは精神的圧力を僕に与え続けた。
練習の苦しさは我慢することができたが、精神的な苦痛は耐え難かったよ。
バスケが好きだったから・・・それだけで耐えてきたように思う。
技を磨くことよりも、周りの圧力に一日耐えることで日々が過ぎていった。
こういう目に遭った人は少なくないと思う。
でも・・どこにでもあること・・・で、僕は済ませたりしたくないんだ。
どうか、こんな状況はできるだけ作らないで欲しい。
イジメによる自殺が多発した時、僕は悔しかったよ。
学校で僕と同じような目に遭った子がたくさんいたんだと思ったよ。
誰でもいい・・・一人でもいいから、そいつの味方になってやってくれないか。
一人でも味方がいれば、その子は頑張って生きていられるかもしれないから・・・。


「魚住」は体育館の裏で吐きながら泣いていた。
そこに監督が来て、話をするんだが、恐らくやり過ぎたと思ったんだろうな。
黙って我慢していれば、「魚住」の苦しさなんて誰も気づきもしないから・・。
監督は「体力や技術は身に付けさせることができるが、体をデカくすることはできない」と言う。
その言葉を聞いて「魚住」は奮起したように描いてあるけど、実はそうじゃないと思うよ。
「魚住」がバスケを続けることができたのは、自分と同じ立場にあるライバル「赤木」と自分をフォローしてくれる「仙道」がいたからだ。
「仙道」はああいう性格だから、精神的にも「魚住」を支えていたんじゃないだろうか。


陵南の監督はよく「褒めて伸ばす」とか「叱って伸ばす」とか、選手個人に対してかなり偏った考え方してると思う。
場合によっては、どっちも必要な時があるだろ?
「福田」の時は失敗した・・なんて言ってるし・・・(汗)
それじゃ反抗しなければ上手くいったと勘違いしかねないな、この人・・。

なんかさ・・・「桜木」が「じじい」って呼ぶ気持ち・・・解かる気がする・・・。


2008年9月29日月曜日

Slam Dunk43


両チーム共、一歩も引かない強固なディフェンスで、互いに全く得点できない状態が続く。
その均衡を打ち破ったのは「仙道」だった。
「流川」を抜いて、ゴールへと走り出す。
「赤木」と「流川」が必死にブロックしたが、「仙道」はジャンプした後空中で別方向からシュートを決めてしまう。
ちょっと他の選手にはマネのできないプレーだな。
たぶん「仙道」の得意技なんだろう。
あれで湘北は練習試合の時に負けたんだよな。


しかし、「流川」も黙って見てるわけじゃなかった。
次の攻撃時には、ボールを持った途端にスリーポイントシュートを決めてしまった。
また黄色い声援が会場に響き渡る(汗)
そして・・・聞き捨てなら無い台詞が僕の耳を通過していった・・・・・。
「流川」がスリーポイントシュートを決めた時、海南の「牧」が・・・・・
「不敵・・。」と言ったんだ。
でも、でも僕には「素敵」と聞こえてしまった。
何度聞いても、「素敵・・。」と聞こえる。
あああああああああああ、僕の耳はどうかしてしまったのかぁああ・・・(汗)


と、とにかく、これで湘北は同点に追いついた。
しかし、その後すぐに「仙道」がシュート決める。
続いて、「流川」が負けじとシュートを決め、「仙道」と「流川」の点の取り合いになっていった。
この「流川」の好プレーで、またしても黄色い声が会場中に渦巻く。
いや・・・ちょっと待て。
「流川親衛隊」が言っている『流川 流川 ラブラブラブリー流川』という言葉・・・僕的にはしっくりこないんだが・・・。
中でも「ラブリー」は一般的にかわいいとか愛らしいの意味があるよな?
つまり、直訳すると「好き好きかわいい流川」と言ってるみたいなんだ。
ちょっと「流川」のキャラには合ってない気がする・・・(いや、別にいいんだけどさ・・・汗)


激しい競り合いの中、「福田」にボールが渡りシュートをしようとしたが、「三井」に止められる。
しかし、「三井」がファウルを取られてしまった。
「田岡監督」の思惑通り「三井」はファウル3つとなった。
でも「彦一」が言うには、「魚住」もファウル3つらしい・・・・。
おいおい、監督は、自分のチームの状況くらい把握しとけよ(汗)
まったく・・この人、どこか抜けてるよな・・・。


とうとう「桜木」にボールが回ってきた。
メンバーはすぐにパスするよう要求するが、「桜木」は今がチャンスとばかりにゴールを狙う。
「福田」をフェイクでかわし、無理やりリングに向かってボールを投げる。
予想通り入らなかったが、自らリバウンドを取り、再度挑戦する。
その時「桜木」の頭の中に猛特訓の場面が甦ってきた。
さあ・・・今こそあの時ものにしたシュートスタイルを思い出すんだ!
感覚を集中させ、シュートの態勢を作る。
そして・・・ボールを放った・・・・・・・と思ったら、「魚住」に叩き落された(あー残念・・)
しかし、これで「魚住」はファウル4つになった。
「田岡監督」・・・頭を抱える(笑)
なんかさぁ・・・余計な策略すると、必ず自分の方に返ってくるよな。
わざとファウルを誘って相手選手を追い出すより、正面から戦って勝った方が気持ちよくねぇ?


当の「桜木」はわざとファウルを誘ったんじゃないんだよ。
真剣にプレーに集中してシュートしただけだもんな。
結局はさ、試合ってのは技のぶつかり合いで勝負すべきなんだよ。
いろいろ小細工して勝ちをもぎ取っても、本当に強いことにはならないと思うんだな。
ルールを利用するやり方は、どうしても勝ちたいと思ってる選手の判断に委ねた方がいいんじゃないかな?


これで「魚住」は交代を余儀なくされた。
「ファインプレイだ、花道。」
「宮城」の言葉が「桜木」の脳裏に吸い込まれていく(笑)
ホントに「桜木」は単純明快だな。
たぶんそれまで余計なことを考え過ぎてたんだよ。
試合に集中して、自分のベストプレーをしようとすれば、いいプレーができるヤツなんだって。
まあ、調子に乗らなければな・・・(汗)


なんだか湘北ムードが高まってきたぞー。


2008年9月28日日曜日

Slam Dunk42


「流川」がフリースローを決め、湘北は1点差まで詰め寄ってきた。
しかし・・・・「桜木」は一人で余計な計画を立てているみたいだな(汗)
頭を打ってから、ますます妙な考えをするようになった気がする・・・。
試合中に雑念が入ると、いいプレーはできないんだが・・。
ほらほら、「池上」に簡単に抜かれてしまってるぞ。
「福田」にボールが渡ると、「三井」のブロックを越えてシュートするが入らず、リバウンドを自ら取った時に「三井」に止められてしまう。
陵南はスコアラーの「福田」を止められると、点が取れなくなる

でも「田岡監督」は、「福田」に強引なプレーをさせて、「三井」のファウルを誘い退場させようと考えているようだ。
「福田」がマークされている間に、「魚住」と「仙道」に得点させるつもりらしい。
ん・・・そんな悠長なことしてていいのかねぇ。
だって、それは湘北も同じことで、「三井」がマークされているのなら、「流川」や「赤木」「宮城」が動くことになるだろう。
それに「流川」はやる気満々みだいだよ(笑)


「流川」の弱点はスタミナ不足だけだったからな。
前半戦を捨てて、スタミナを温存した状態で迎えた後半戦には自信あったんだろう。
「宮城」は「流川」に急かされているのを解かっていて、確実にボールを回すタイミングを計って「三井」にパス。
「三井」はシュートにいくと見せかけて、「流川」にボールを渡した。
満を持して、「流川」は素早くシュート。
あまりに早いタイミングでのシュートだったので、入らないと思ったようだが入ってしまった(笑)
このスピードに「仙道」も振り回されている。
とにかく、この競った状況でシュートを決めるには、フェイクやスピード感で相手の裏を掻かねばならない。
たぶん「流川」は半分無意識にそれをやっているんじゃないだろうか?


頼りにしていた「仙道」が「流川」に振り回されているのを見て、「田岡監督」が本性を現す(汗)
「何をやっとるか、仙道! 朝飯ちゃんと食ってきたのか!!」
こらこら・・・公衆の面前でその台詞はないだろ(汗)
「仙道」がやられるとチームは不安になるかもしれんが、その「仙道」を不安にさせる発言をするアンタはどうよ(汗)
監督なら、チームが苦しい時にこそ策を練らんかい!


「仙道」は意外にも「流川」と同じプレーをして、早いタイミングでのシュートを決める。
たぶん「流川」に精神的なダメージを与えようとしたんだろう。
お前にできることは俺にもできる・・・と言わんばかりだな。
でもな・・・先にやるのと後でそれをマネるのとではちょっと違うんだよ。
力やテクニックで同格でも、それを実行する時に自分で考えてやるということは、プレーのバリエーションを豊富に持っているからできるんだと思う。
そういう意味では、あまり意味がないんじゃないだろうか?


「流川」にボールが回り、「仙道」を抜こうとした瞬間、ボールを叩き落される。
陵南ボールになり、攻撃に転ずるが・・・今度は同じように「宮城」からボールを叩き落される。
つまりだな・・・お前(陵南)にできることは俺(湘北)にもできるってことだ(笑)
ここで微妙に「仙道」が動揺しているのが解かる。
たぶん監督の叱咤が原因だな。
「仙道」を叱った時、彼は無理にでも自分が上であることを誇示しようとした。
それは「流川」に話しかけた台詞で解かるんだが・・・。
だがそれを示したところで、気を抜けばどこかで反撃を食らう。
「植草」のミスを自分のせいにしたのは、「仙道」がそれに気づいたからだろう。
「流川」のマネをしたプレーはやるべきではなかったんだよ。
だからさ・・・監督は余計なことを言っちゃダメなんだって!
ああ見えて、「仙道」は繊細な神経を持ってるんだと思うよ。
というか、みんなそうなんだけどね・・・。


ここでやっと「仙道」は、本来の自分に戻ったみたいだな。
「流川」の足元を見るような台詞は、「仙道」らしくないと思ったんだ。
強い相手の強さをそのまま認めるのが、彼のいいところなんだ。
「桜木」の強さを認めていたのも「仙道」だったしな。


この後、試合は一進一退の攻防が続いていく。
今のところ、両チームとも実力は互角だと思う。

さあ、この競った状態から抜け出すのは、陵南か? 湘北か? どっちだ?


2008年9月26日金曜日

Slam Dunk41


「桜木」の代わりに「小暮」が入った湘北メンバーは、心機一転、目を見張るような活躍をする。
「桜木」には皮肉な状況と言えるだろうな。
「福田」からボールを奪った「三井」は「宮城」へパス、速攻を狙って「流川」に繋げた。
ついに「仙道」と「流川」の対決か?・・と思いきや、あっさり「三井」にパス。
「三井」はスリーポイントシュートを決める。
続けて「宮城」のシュートも決まり、7点差に追いつく。
湘北の勢いに危機を感じた「仙道」が、フェイダウェイでシュートを決め突き離そうとする。
このフェイダウェイというテクニックは、後ろに飛びながらシュートするというもので、難しい技なんだ。
はっきり言って、僕はできない(汗)
普通は立ち位置からの距離を測って、シュートのタイミングを練習するんだが、フェイダウェイの場合はその距離感がまったく違ってくるから、タイミングを計るのが難しいんだと思う。
大体後ろに飛びながら撃つってのができない(泣)
そういえば・・・・後ろに飛びながら火炎を吐くってのを誰かやってた気が・・・・(汗)


残り時間数秒という時、なんとかもう1本入れておきたいと思った「赤木」は「三井」にボールを回す。
そこを「福田」が抑えようとするが、「三井」はフェイクでかわし、間一髪スリーポイントシュートを決めた。
湘北は6点差に追い上げ、前半戦を終了した。
「三井」はここ一番って時に強いな。
やっぱ年の功か・・・(汗)


湘北の控え室では、追い上げムードに湧いていたが、一人「桜木」だけが無念の思いに浸っていた。
ロッカーに当り散らす「桜木」と嫌味を言う「流川」に、「彩子」のハリセンが飛ぶ・・・
「(血が)余ってるみたいだから出しちまえ!」
あ・・・・・・姉御・・・(汗)
たぶんこういう不良上がりの連中の中に居られるのは、「ルーシー・リュー」とか「岩下志麻」的な姉御肌の女性でなければならないのだろう(汗)
そして頭もイイ・・。
荒れる「桜木」に「晴子」の話を持ち出して、喜ばせるあたり・・・男心をよく理解している(笑)
いや、単に「桜木」が単純なのかもしれないが・・・。


一方、陵南の控え室では、スリーポイントシューターの「三井」に注意しろという話が出ていた。
しかし、「仙道」は「流川」の行動が気になっていた。
対決ムード満点のあの場面で、「流川」はそれに乗ってこなかったのだ。
「流川」には別の思惑があるような気がしていた。
それは後半戦が始まるとすぐに解かることなのだが・・・。
「田岡監督」は「三井」のディフェンスに「池上」を指名する。
「三井」封じを「池上」一人に託すつもりのようだ。


さあ、いよいよ後半戦の開始だ。
「流川」にボールが渡ると、「仙道」との対決ムードが高まってくる。
どうやら、チェンジオブペースで抜く気らしい。
しかし、一瞬「流川」は「仙道」が気配を読んでいるのを察知、方向を変えて素早くシュートを決めてしまった。
会場は「流川親衛隊」の黄色い声とハートが飛び交っている・・・(さすがだ・・・汗)
今度は「福田」に「三井」が付き、「桜木」は5番の「池上」に付くよう指示される。
「桜木」は渋々言われた通り「池上」に付くが、ディフェンスの穴と定評の高い「桜木」を予想通り簡単に抜いてしまう。
だが、「赤木」に阻まれた「池上」はシュートに行けず、トラベリングを取られてしまった。
気落ちしたのは「桜木」だ。
かなり悔しがっているようだが、何やら計画と違った展開になっているかららしい。
「この天才があんなヤツらに負けるわけがねぇのに・・・・。 くそぉーー!」
”あんなヤツに負けるわけがない”・・・・・
いや、その言葉、そっくりそのまま相手の方が思ってるよ、きっと・・・(汗)


湘北ボールになって、「三井」にボールが回ると、「池上」が激しいディフェンスで迫ってきた。
身動きできない「三井」の目に「流川」が走ってくる姿が映った。
ボールを「流川」に渡すと、フェイクを入れて「仙道」の追撃をかわす。
執拗に追う「仙道」だが、「流川」はそのままシュートを決めた。
この時、「仙道」はプッシングでファウルを取られてしまう。
でもな・・・・「仙道」・・・どうしてそんな嬉しそうな顔してんだ????
思わず一時停止ボタンを押して、マジ見してしまったじゃないか。
え? 何? なんかブツブツ文句言ってるぞ・・・・・こんな「仙道」は珍しいな(笑)
つまりだな・・・・微妙で素早いプレーをすると、審判は誤審し易いってことだろう(ぷっ・・)


これで湘北は2点差にまで追い上げてきた。
「流川」の本領発揮で、勢いを増す湘北だが、陵南も黙っちゃいないだろう。

さあ、どう出る? 陵南!


2008年9月24日水曜日

Slam Dunk40


本来の自分を取り戻した「赤木」は、顔つきまで変わっていた・・。
やはり勝つという執念は捨て切れなかったようだね。
「魚住」から「福田」にボールが渡り、「桜木」をかわしてシュートを決めようとしたが、「赤木」に叩き落とされてしまう。
「赤木」が本調子になってきたと同時に、陵南は得点チャンスをものにする確率が減ってきた。
ここでタイムアウトだ。
「田岡監督」は「福田」が「赤木」にブロックされたのを見て、このままではスコアラーとしての「福田」を活かせないと感じたのだ。
「福田」はメンバーから外されると思ったみたいだが、監督は「魚住」に「福田」をサポートするよう指示。
おおおお? 「田岡監督」、なんか監督らしくなってきたんじゃねぇ?(笑)
やっぱりね、選手を叩いて走らせるんじゃなくてさ、選手を活かすように考えないとな。
この言葉だけで、「福田」はどんなに嬉しかったか解かるだろうか。
きっと・・・これでやっとメンバーとして認められたって気持ちになったと思うよ。


試合が開始され、途端に「福田」の活躍が目立つようになる。
「福田」は部活禁止処分を受けて、バスケをしたくてもできない状態に置かれてきた。
そして今やっと、思いっきりバスケをすることができるようになったんだ。
まさに海南の「牧」が勝つことに対して持っていたものと同じ”飢え”を「福田」はバスケに対して持っている。
その”飢え”は、執念となり力となる。
元々オフェンス力の強かった「福田」は、更に隙を見せないプレーで湘北を圧倒する。
もちろん湘北も負けてはいない。
「赤木」や「三井」のシュートで、確実に得点を上げていった。
しかし、それ以上の勢いを持った陵南は、「福田」を中心に湘北を突き離していく。


「福田」にボールが集まるということは、そのディフェンスをする「桜木」が穴であるということだ。
オフェンスに関しては、ゴールを目的に走ればいいわけだが、ディフェンスというのは相手の動きに対応するという二次的なプレーがカギとなる。
それは練習や試合経験で培われるものだが、「桜木」にはその経験がほとんどないのだ。
つまり、ゲームの流れの中で、プレーヤーがどんな動きをするのか、どういう心理状態でその後の動きが決められるのか、予測できないんだな。
ホントに一瞬の判断で動くからな・・・自分が相手の立場になって考えることができないと、簡単に抜かれてしまうんだ。
「桜木」は自分中心で動くクセがついているから、バスケだけじゃなくて元々そういうのが苦手なんだと思うよ。


「福田」は、外で個人練習をしている時も、ディフェンスを想定して練習していた。
まあ、シャドーボクシングのようなものだね。
仮想敵を設定して、それにどう対応していくかを研究していたんだろう。
その時それを見ていた少年たちが、「福田」をリングのある場所に連れていくと、間髪を入れずにダンクを決めたという経緯がある。
「桜木」はリング下のシュートを特訓していたが、ちゃんと設備のある場所でやっていたよな。
「福田」はまったく何も無い場所で、感覚だけの練習をしていたにも関わらず、リングを前にしてすぐに正確なシュートをしている。
つまり、視覚に頼らず感覚でリングの位置とシュートのタイミングが体に染み付いているんだ。
その違いは大きいと思う。


この「福田」の執念は気迫となって試合に表れる。
それに応えるべく、「仙道」が動き出した。
この2人が揃ってしまったら、もう誰にも止められないだろう。
必死に食らい付く「桜木」だが、そのスピードに追いつけず倒れ込んでしまった。
ギョエエェェーーー・・・・「桜木」・・・・流血の事態に・・・(汗)
額からかなりの出血が・・・・・大丈夫なのか?
あ、でも元から血の気が多い方だから、ちょうどいいかもな・・。


「桜木」が手当てを受けている間、「小暮」がメンバーに加わり、湘北はそのメンバーで前半戦を戦い抜くことになる。
「桜木」・・・・悔しそうだね・・・。
「晴子」が心配して駆け寄ろうとするが・・・今はそっとしとく方がいいだろう。
物凄い屈辱を感じているかもしれないが、それはそれで「桜木」が本当に強くなるためには必要なことだと僕は思うよ。
競うとはそういうことなんだ。
相手が強ければ強いほど、乗り越えるためにぶつかり合って受ける衝撃は大きい。
「桜木」だけじゃないんだ。
「福田」だって、バスケができなかった長い期間は大きな屈辱だっただろう。
「魚住」も5回ファウルで退場になった時は、耐え難き屈辱を感じたはずだ。
「赤木」も不慮の事故とはいえ、大事な試合に怪我をして動けなくなった時は、屈辱を感じたに違いない。
「三井」も「流川」も「宮城」も、自分の力が及ばない事態に遭遇した時、悔しさに歯を噛みしめた。


人間は人生の中で、悔しさに体を震わすことが何度かある。
そんな時、どうしたらいいんだろう・・・。
僕は耐えるだけ耐えてきたよ。
これ以上耐えることができないと思えるほどに・・・。
結局はそこから立ち直るには、自分でそれを耐え切って乗り越えなければならないんだ。
きっと、この悔しさを跳ね返すことができるようになる・・・と信じて・・・。
そしてそれができた時、人間は強くなっていくんだろう。


この試合は「桜木」にとって、最大の試練だろうな。
いろんな感情が渦巻いて、平常心に戻るには時間が掛かることだろうけど・・。
でも、「安西先生」が病室で勝利の朗報を待っているんだ。
自分に勝って、早く復帰してくれよ! 「桜木」!


それにしても、この72話のアニメ動画はきれいに仕上がっているな。
スタッフが力を入れて描いた部分なんじゃないかな?
たぶん・・・大事な部分なんだと思うよ・・・。


2008年9月22日月曜日

Slam Dunk39


「赤木」の不調が原因で湘北は窮地に追いやられる。
今のままでは試合の流れを変えることが不可能に見えた。
そこで、湘北はタイムアウトを取って策を練る。
しかし、なんだかんだ言って仲間割れに終止し、結局「安西先生」の存在の大きさを改めて認識しただけだった。
「赤木」は自分の心の動揺を追い払おうと、顔面を叩いて目を覚まそうとする。
それを見た「桜木」は・・・・・・超弩級頭突きをお見舞いしてあげたのだった(驚)
思わず野性に目覚めた「赤木」は、お返しに超弩級拳骨をくらわせた。
どちらも人間じゃないので、このくらいでちょうどイイらしい(笑)
でも「彩子」は人間だと思っている様子・・・。
騙されてはいけないよ・・・・あれは「ゴリ」だ(ふっ・・・)


病室では「安西先生」が選手たちの活躍を心配していた。
いつも試合をする毎に逞しくなっていく選手たちの将来を楽しみにしている「安西先生」・・・。
「安西先生」は”可能性”というものを大事にしているようだ。
つまりできなったことができるようになるという方向性のことだ。
たぶんそれぞれの欠点や過去の負い目に縛られて動けない状態から、何かを吸収し経験していくことでそこから這い上がる力を獲得できるということだろう。
例えば道端の花を千切っても、その横からまた新しい芽が出てくるように・・・。
壊されても傷つけられても、命ある限りそのままであり続けることはできないんだ。
むしろそのままでいる方が難しいんだと思う。
「赤木」は過去の怪我を気にして動けなくなっているけど、きっとそれは一時的なものなんだよ。
今回だけじゃない・・・18年の間には、同じようなことが何度もあったはずだと思う。
それを乗り越えて今まで生きてきたんだから、今回だけ乗り越えられないということはないはずだよね。
きっと何十年も後になって過去を振り返った時、今回のことは笑い話になっているかもしれない。


僕も過去の苦しみや悲しみは、時間と共に昇華され、僕自身の考え方の指針になっている。
「赤木」は今自分の弱さと戦い、乗り越えようとしている。
自分の弱さに勝てるのは、他でもない”自分”だけなんだよ・・・。
頑張れ!「赤木」・・・


しかし、「ビッグジョン」と呼ばれた「魚住」の力は衰えておらず、「赤木」の本領が発揮できない。
ついには「桜木」をもぶっ飛ばしてしまった。
「桜木」・・・・倒れたまま動かず・・・・(なんだ?どうした?)
怪我でもしたのかと思いきや・・・・その様子に「桜木軍団」だけは嫌な予感を感じていた・・・。


会場に地鳴りが・・・・(笑)
「桜木軍団」が慌てて「緊急事態!」と叫びながら走っていく。
・・・・たぶん過去に同じようなことがあったんだな・・(汗)
「桜木がキレる!!!」
まさか・・・・”屈辱”とはそういう意味だったか・・・。
ゆっくり起き上がる「桜木」・・・・何か異様な雰囲気に包まれてますな・・・。
目から炎を吹き出しながら、「魚住」の仮面を被った「桜木軍団」を追いかけていく。
恐るべし・・・「桜木花道」。


「小暮」が急いでメンバーチェンジを申し出るが、ルール上それは許されなかった。
しかし、心配には及ばなかったみたいだ。
一時的におかしくなったものの、コートに戻ってきた「桜木」はケロッとしていた(なんだ・・・つまらん・・)
まあ、「テツオ」とやり合った時も「蚊がいる」で済ませたくらいだからな。
肉体的には、サイボーグみたいに頑丈なんだろ。
「君、頭の方は大丈夫なのかね?」
えーと・・・審判はどっちの意味で言ったのかな?(笑)
僕は絶対嫌味で言ったと思うんだが・・・。
「見苦しい私語が多過ぎるぞ。」
更に追い討ちをかける審判。
でも・・・止めた方がいいよ(後が怖いから・・)


さあ、やっと試合続行になった。
「桜木」はいつものスタイルでフリースローを1本決める。
2本目は外したが、「流川」がリバウンドを取って、「赤木」にパス。
「赤木」はダンクを決めた。
はあ・・・やっといつもの湘北に戻ったみたいだな。


しかし・・・波乱はまだまだ続くのであった・・・(汗)


2008年9月19日金曜日

Slam Dunk38


口先だけの男「桜木」に「福田」がダメ出しを・・・。
「俺の方が一コ上だから敬語を使えよ・・。」
あの「桜木」に敬語を強要するとは・・・「福田」恐るべし・・。
たぶん”頭に血を上らせミス誘発作戦”なんだろう。
しかーし、頭に血が上ったのは「田岡監督」の方だった(汗)
「桜木」は「田岡監督」のことを”じじい”と呼ぶ。
「牧」は”じい”と呼ばれているが、果たしてその違いとは・・・。
”じじい”とは、男の老人を罵る時に使うのだが、”じい”は祖父を呼ぶ時に使う言葉だ。
つまり、”じじい”には、はっきりと悪意がこもっていることが確認された。
要するに「桜木」の中で、陵南の監督は鼻持ちならないクソ老人に見えるようだが、海南の「牧」のことは自分のおじいちゃんだと思っているらしい(汗)


湘北ボールで、「桜木」にボールが渡ると「福田」がその前に立ちはだかる。
再度「桜木」と「福田」の一騎打ちになった。
ディフェンスが甘い「福田」に、「桜木」はフェイクで抜こうとする。
「桜木」のフェイクに簡単に引っ掛かる「福田」・・・面白くてフェイクを連発している内に「越野」がボールを叩いて奪ってしまった(アホだ・・汗)
速攻で「越野」がシュートを決めようとするが、「宮城」が驚異的なスピードとジャンプ力で追いつきシュートを阻止。
こぼれたボールに跳びついた「桜木」は勢い余って・・・・腹で押さえ込んだ。
しかし勢い止まらず、そのままボールは「桜木」の大事な部分を通過・・・微妙なニオイを漂わせ止まった(げっ・・一同ドン引き・・)
激痛に苦しむ「桜木」をよそに、両チームでその微妙なボールを奪い合う。
勝ち取ったのは「三井」だ。
でも嫌々取ったということが「三井」の顔に表れてしまっているが・・・。
これで湘北が攻撃に転じた。
「絶対勝ーつ!!」
「桜木」が吼えるが、下腹部を押さえながら言ってもなんか説得力が無い・・。
でもどうやら「桜木」らしいプレーを見ることができた(こうでなくっちゃ・・)


果敢に切り込んでいく「三井」に、「魚住」が圧倒的なデカさでブロック。
「ゴール下で仕事ができると思うなよ。」
バカにされ続けた「魚住」が意地を見せる。
この後、「赤木」のシュートを無理に止めようと「魚住」が手を出したために、「赤木」の巨体が床に叩き付けられてしまう。
その後から、「赤木」に異変が起こっていく。
どうやら以前の足の怪我が気になり始めてしまったらしい。
「赤木」はせっかくのフリースローのチャンスを二度も外して、ボールは陵南が取った。
「福田」が速攻で走り、そのままゴール下まで突進する。
それをさせまいと「桜木」がブロックするが・・・・「福田」はフェイクでタイミングをずらしあっさり得点する。
この時バスケットカウントを取られてしまったので、更に「福田」のフリースローで得点が加算された。
しだいにゲームは陵南有利に傾いていく。
そして更に「赤木」のパスミスで、完全に湘北の勢いが止まってしまった。


とても今までの「赤木」とは思えない別人のようなプレーの連続に、自ら湘北を窮地に追い込んでいるみたいだ。
陵南という強豪校相手に、攻めの試合ができないようでは、もう打つ手無しだと思う。
「赤木」に釣られて「桜木」まで力を発揮できなくなっている。
それに引き換え、「魚住」はさっきとは打って変わった活躍で、連続シュートを成功させていた。
この後もそれは続いていくんだが・・・僕にはこの話の展開が腑に落ちないんだ。
「赤木」の足の怪我は完治したはずで、実際に痛みはない。
なのにこれほど気にするのはおかしいと思わないか?
激しいプレーをしていれば、足を気にする暇がないと思うんだが・・・。
あんなに全国制覇を夢みて、足などどうでもいいみたいなことも言っていたはずなのに・・・・。
まったく「赤木」らしくない。
いったい何を・・・・・・・・あ! やっぱり「安西先生」がいないからなのか?
うーん・・・そうとしか思えないな。


人間は誰かの支えがあってこそ、力が出せるものだと思うんだ。
「赤木」にとって、その支えは「安西先生」なんだよ。
「三井」みたいに表面に出さないだけで、「赤木」がチームを引っ張っていける気迫の源は「安西先生」にあったんだろうな。
こういう時に、期待して見守っていてくれる人の存在って大きいよな。
深読みをすれば、怪我をした「赤木」の足っていうのは、「安西先生」のことで、その安否が気になって試合に集中できなかったんじゃないだろうか?
つまり、自分の足よりも全国制覇という夢よりも「安西先生」が大事だと気づいたんだ。


僕にも同じようなことがあったよ。
その人がいないと何も手につかないくらい落ち着かないんだ。
自分一人で生きているんじゃないって分かった時から、その人は僕の世界の一部になっている。
きっと「赤木」も同じだと思う。
「赤木」にとって「安西先生」は、彼の世界の一部なんだよ。
その部分が欠けてしまうと、とても不安定になってしまうんだろう。


だけど、「安西先生」は死んだわけじゃないんだからさ・・・。
病室でインターハイ出場の朗報を待っているんだからさ・・・。
ここは踏ん張らなきゃいけないだろ?


負けんな! 湘北!


2008年9月17日水曜日

Slam Dunk37


試合開始早々、「桜木」はインターフェアで陵南に得点を加算させてしまう。
なかなか際どいプレーだが、審判は容赦しなかった。
「桜木」が抗議しようとするが、「流川」が止める(毒舌で)
前の試合で「魚住」が審判に抗議したあげく退場になったことを引き合いに出されて、怒り心頭の「魚住」だ。
何やら、今回「流川」はよくしゃべるな・・・(毒舌で)


更に「桜木」は「三井」からのパスを顔で受けてしまい、陵南にボールを奪われる。
ここで何を思ったのか「仙道」が挑発する。
「おい、どうした? ・・・・あん時のままか?」
以前の練習試合の後、「仙道」は「桜木」に”俺を倒す気なら死ぬほど練習して来い”と言ったんだよな。
つまり、言い方は違うが・・「仙道」は期待しているという意味で言ったんだよ。
だから、今度の試合は楽しみにしていたに違いないんだな。
今のこの台詞も、ガッカリさせんなよ、という意味なんだろう。
くぅぅぅーー・・・「仙道」カッコ良過ぎ(笑)


さあ、こんな風に言われて、「桜木」が黙ってるわけがない。
「この桜木率いる湘北は、同じ相手に二度は負けーん!!」
この言葉に奮起する湘北チーム。
「宮城」が「越野」の隙を突いてボールを奪うと、「桜木」に速攻でパスを回した。
ノーマークだった「桜木」はそのままボールを受け取ると、一旦両足で止まりジャンプ・・・きれいなシュートを決めた。
以前はゴール下のシュートが上手く入らなかった「桜木」だが、ここで猛特訓の成果が出たようだ。
湘北の先取点を上げた「桜木」は、また調子に乗っている(汗)
でも、特別メニューを完遂させたとはいえ、普通試合で簡単にその成果を出すのはなかなか難しいんじゃないのかな?
たぶん「桜木」は本番に強いんだろう。


しかし、「桜木」のシュート1本だけで、これほど周りが動揺するとは・・・・。
それほど今までの「桜木」のシュートは酷かったのか・・・(汗)
湘北チームにとって、「桜木」のゴール下のシュートは、穴だったはずだ。
でも、猛特訓でそれを克服したのなら、湘北につけ入る隙が一つ減ってしまったことになる。
これで陵南はこれまでとは違うゲームの組み立て方を考えなければならないだろう。


陵南の攻撃となり、「魚住」がゴール下でシュートを狙う。
しかし、「赤木」のブロックでバランスを崩し、ボールはリングに当たり跳ね返ってしまった。
リバウンドを自ら取ろうと「魚住」がジャンプするが、それを上回るジャンプで「桜木」がボールを取った。
おおおおおお!!! すげーーー!!! 会場がどよめき立つ。
その「桜木」の耳に「宮城」の声が届いた。
「宮城」は、速攻で走りフリーになっていたのだ。
だが・・・・・「桜木」が「宮城」に送ったパスは勢い余って、記者席の方へ飛んでいってしまった(危ねぇー)
パスミスでチャンスをふいにされてしまった「宮城」・・・(怒)
しかし、どう見てもこれまでのプレーでは、一番調子が良いように見える「桜木」だ。
「おかしい・・・」
「桜木軍団」が声を揃えて言うくらいやっぱり「おかしい・・」。
たぶんこのままじゃないだろうな。
きっとどこかでドジを・・・なんて思わせるくらい、キャラらしくない展開になっている。


陵南ボールになって、湘北はマンツーマンのディファンス形態で守りにつく。
「仙道」「魚住」をこれで抑える作戦なんだろう。
しかし、「田岡監督」には策があった。
2人に匹敵するスコアラー「福田」の存在だ。
陵南は、「福田」に1対1で攻撃できるようアイソレーションを行使してきた。
ゾーン内はがら空きになり、「福田」と「桜木」の一騎打ちになった。
そして期待通りに「福田」は「桜木」を抜き、シュートを決めようとする。
だが、それを見越していたのか、「三井」がブロックに入り、「福田」のファウルを誘う。
「三井」の狙い通り「福田」はオフェンスチャージングを取られる。
こんな風にルールを利用したやり方って、湘北はほとんどやったことないよな。
さすが「三井」・・・・年の功ってやつでしょうか?


「桜木」・・・ディフェンスはまだまだだな・・・(ふっ・・)


2008年9月15日月曜日

Slam Dunk36


「安西先生」を心配して、他の湘北チームは病院前に集まってきていた。
大事には至らなかったが、次の試合に監督抜きで勝利しなければならない。
改めて、気合を入れ直す「赤木」たちだった。
病室で、彼らの後姿を見送りながら、「安西先生」の奥さんが一言。
「あの子たちなら、きっと大丈夫よ。 あなたがいなくても・・。」
あちゃ・・・奥さん・・・・それ言っちゃお仕舞いでしょう。
確かに試合中ほとんど何も言わないですけどね、ただそこにいるだけで安心するってことあるんだよ。
「安西先生」は湘北チームにとって、そういう存在なんだ。
それにチームの危機には、それなりの的確な指示を出してるじゃないですかぁ。
あーあ、ほらみろ・・・「安西先生」拗ねちゃってるよ(汗)
入院中に心配させることはないけど、他に言い方があるだろ?
あなたの代わりにハリボテを座らせておいてくれるわよ、とか・・。
あ・・・写真の方がいいか・・・。
でも、額入りの写真を立てておくと、まるで逝っちゃったみたいに見えるかもしれないな・・(汗)
きっと相手校の選手たちがびっくりするよな。
むしろそれを利用して、皆で涙を流せば、相手が動揺するかもしれない。
その隙に得点を入れまくるってのはどうだろう・・。
いい案だと思うんだが・・・。


体育館では、「三井」「宮城」「流川」が、「桜木」から「安西先生」が倒れたことを知らされる。
しかし皆一斉にその原因が「桜木」じゃないかと疑うのだった(僕が思った通りだな・・・笑)
「安西先生」抜きで、陵南戦を勝ち抜くのはかなり不安だろう。
でも、覚悟さえ決めれば、不安を闘志へと変えることができるはずだ。


いよいよ陵南vs湘北戦の日となった。
会場前は観戦者たちでごった返している。
湘北応援団たちも気合十分だ。「流川応援チアガール」「三井不良応援団」そして「桜木軍団」・・・。
みんなちょっと近寄りがたい雰囲気を持ってしまっているが、選手たちの個性が反映されていると思えば納得できるだろう。
「桜木軍団」は相変わらずピンクのバイクに4人乗りという無謀を犯しながらの入場だ。
「晴子」曰く、「4人乗りじゃあ・・・全然スピード出ないでしょう?」
ちょ・・・・言うことが違うんじゃないか?
スピード云々の前に、それは違反だろ?
「晴子」も相変わらず天然の域を出ていないようだな・・・(汗)


病院でも、この時を心待ちしていた人物がいた。
奥さんに促されて、「安西先生」は試合前のコメントを一言。

「君たちは、凄い・・・。」

おおおおおおおおお!!!! 湘北チームに聞かせてやりてぇ!!!(涙)
この一言が、選手たちをどれだけ勇気付けてきたか・・・。
この人が言うなら、本当に凄いんだと思えるんだよなぁ。
他の学校の監督は「やれ!」とか「潰せ!」とか命令口調だけど、「安西先生」は「君たちは、強い。」とか、個人の能力を信じているような言い方をするんだ。
昔は鬼と呼ばれた先生も、年季が入ると一種の悟りを開いたような雰囲気を持つんだな。
つまり、感情をコントロールできるようになったということじゃないだろうか?
他の監督は、感情的な発言が時々ある。
勝ちにいくには気合も必要だけど、その気合もいき過ぎると不信感に繋がってしまうんだ。
もちろん監督の個性で、口調が荒い場合もある(僕も口が悪いとよく言われる・・・汗)
でもそれは長い間チームとして付き合っていれば、理解し合えるんじゃないかな?
それでもそういう個性に反発する選手もいて当たり前だから、難しいんだけどね。
だから「安西先生」ってやっぱ凄いって思うよ。


会場では、先に海南vs武里戦が行われていた。
予想通りに海南が圧倒的な強さで、武里に勝ったようだ。
17年連続優勝だってーー!
マジで凄ぇーなぁー、海南。
他を寄せ付けない強さを持ってるんだな・・。
だけど、その海南に迫る勢いの陵南と湘北の存在は、県内のバスケレベルが上がっている証拠だと思う。
不思議と、強い選手の周りや同じ時期に同じような強さを持った選手が集まることがある。
何かに引き寄せられているみたいに、次々と頭角を現してくる。
なんでだろうな?
まあ、見る方は面白い試合が見れるからいいんだけど・・。


さあ、陵南vs湘北の試合が始まろうとしている。
「三井」は「安西先生」がいないと落ち着かないみたいで、ベンチに写真を立てようとする。
なんだ(笑)・・・僕の案が採用されたのか?
しかし、この試合・・・序盤から「流川」が異常なほどの気迫を発している。
どうやら狙っているのは「仙道」・・。
「牧」と互角の戦いをして株を上げた「仙道」に並々ならぬ闘志を燃やしているようだ。
いやぁー、面白くなってきましたねー。


うーん・・・今67話だから・・・あと34話分もあるのか・・・(長いな・・・)
たぶんこの陵南戦は一番中身の濃い試合内容になるんじゃないかな?

しかし・・・これ全部解説していくと、年越してしまいそうだ・・・(汗)


2008年9月14日日曜日

Slam Dunk35


「安西先生」が倒れたという知らせが入り、「赤木」と「小暮」と「彩子」が病院に駆けつける。
その病室の前に立ち尽くしていた「桜木」は何故か涙を浮かべていた。
事情を察した3人は慌てて病室に駆け込むが・・・。
「安西先生」・・・・安らかな顔だ・・・(涙)
苦しまずに逝けたのだなぁ・・・と、3人も涙ぐむ。
しかし、「安西先生」・・・寝返りを・・・(驚)
まさに短期間で甦りを果たした「安西先生」なのであった・・・。


安心した3人は、「安西先生」の奥さんから事情を聞くことに・・。
どうやら「桜木」がシュート練習をしている時に倒れたのだそうだ。
「安西先生」は、「桜木」のシュートがあまりに入らなかったので、腹を抱えて笑い死にしそうになったのである。
責任を感じた「桜木」は、自分のせいで死なれてはかなわんと、急いで救急車を呼び病院に運んだのだ。
テキパキと「桜木」が素早い処置をしたと聞いて、3人は耳を疑うが・・・。
それもそのはず・・。
「桜木」には同じような経験があったようだ。
自分の親父が倒れた時、中学時代に伸した相手が報復にきたので、邪魔されて助けを呼べなかったのである。
これはイタイね・・。
何がイタイって、伸した相手の歯がボロボロになるまで殴ったんだ(違)
これが別の形で自分の身に降りかかってきた。
つまり助けなかったから、助けられなかったんだな。
「桜木」はこの過去に教訓を得て、二度と同じ過ちは犯さないと誓ったんだろう。


「桜木」は「安西先生」のことを”オヤジ”って呼んでいる。
まるで助けられなかった自分の親父の代わりのように思っているのかもしれない。
未成年にとって、親って何より大きい存在なんだ。
その親との関わりで、その人の人生が左右されてしまうくらいに・・・。


僕も親がいない。
小さい頃に死んだと聞いただけ・・・。
時々どんな親だっただろうって想像することがある。
僅かに知っているのは・・・父はメガネをかけていて優男でムッツリすけべ(汗)だったということくらいだ。
ん・・・ちょっと「小暮」に似ているかもしれない。
母は体が弱くて、儚い感じの人だったみたいだ。
吉永小百合を病弱にした感じだろうか?(いや、これは勝手な想像だが・・)
僕としてはちょっと自慢の両親なんだが、僕はその影響をほとんど受けなかったからこんなになってしまった(汗)
だから「桜木」のこのエピソードは自分でもイタイなぁと思う。
僕なら、何が何でも助けに走っただろう。
報復に来たヤツ全員潰しても、助けを呼びに走っただろうな・・。
あるいは土下座でも何でもしただろう。


でも「桜木」は”オヤジ”って呼べる「安西先生」の傍にいることができる。
羨ましいよ・・・。
僕にもそんな人がいたら、僕の人生ももう少し変わっていたかもしれない。
そういう人に人生のいろんな場面でアドバイスして欲しかったな・・。
いや、ただ見守っていてくれる・・・・それだけでも良かったんだけど・・・。


場面は変わって、延長戦に突入した陵南vs海南戦は、予想通りスタミナに余裕のある海南が競り勝っていた。
陵南も最後の1秒まで粘っていたが、6点差を縮めることができなかった。
やっぱり海南は強いね。
個人レベルなら「仙道」は引けを取らなかっただろうけど、チームとしての強さは海南が上だったんだと思う。
次はインターハイ出場の最後の椅子をめぐって、陵南と湘北が戦うことになった。


あれ・・・・でも、「安西先生」が入院しちゃってますが・・・。

ヤバくね? 湘北・・。


2008年9月11日木曜日

Slam Dunk34


さあ、「牧」vs「仙道」の一騎打ちだ。
しかし圧倒的に「仙道」が不利だな。
大概チームの中で、一番上手い選手とそれをアシストする選手がいて、初めて無理の無い攻撃ができるものだ。
陵南はそのアシストする側の「福田」や「魚住」がいない状態なので、それを「仙道」一人で補わなければならない。
おまけに海南には「牧」という大御所がいるから、「仙道」への負担はかなり大きいはずだ。
それでも「仙道」は負けていなかった。


「牧」がフリースローを2本共決めて、海南は1点リードするが、「仙道」は早い切り替えしですぐに逆転させてしまう。
陵南の戦力が「仙道」一人となった時点で、状況的に陵南の勝機は無くなったと思われた。
会場の誰もが海南の圧勝に終わると思っただろうな。
しかし、陵南側にその色は見えなかった。
陵南メンバー、更には控えの選手まで”この不利な状態でも、きっと仙道が何とかしてくれる”と信じていた。
もちろん何の根拠もなく、そう思っていたわけじゃないだろう。
そう思わせてくれる何かを「仙道」は持っているんだな。
つまり、チームの危機を何度となく救った経験があるんだと思う。
それもたった一人でやり遂げる力を持っているようだ。
まるで湘北の危機を救った「流川」みたいだね。
ゲームにおいて、強烈な主導権を握り、一人でバンバン得点を入れていく。
それができるからこそ、チームの不安を払拭でき、試合の流れを引き寄せることができるんだろう。


「牧」のシュートを遮り、ボールを奪った「仙道」が攻撃に転ずる。
速攻でダンクを決めようとするが、「牧」もそれを叩き落し対抗意識を燃やす。
「そう易々とダンクなどさせると思うなよ。」
「いや、やってやる・・必ず。」
珍しく「仙道」の戦闘意識に火がついたようだな(笑)
いつも飄々としているのに、今回はいやに熱くなってるようだ。
無理も無い・・・今のところ「仙道」一人に陵南の行く末が掛かっているんだから・・。
そして「牧」が得点すれば、次は「仙道」が入れるという具合に、両者一歩も引かない攻防が展開していく。


残り時間5分を切った辺りで、「仙道」に疲れが見え始める。
まあ・・ほとんど一人で走り回っている感じだからな・・。
「田岡監督」もそれに気づいて、「仙道」を休ませようとするが・・・。
しかし、「福田」が「田岡監督」の前に立ちはだかって、首を横に振る。
「仙道のプライドが傷つく。」
「福田」もまた「仙道」の気持ちをよく理解していたんだろうな。
何のために今まで「仙道」一人で踏ん張ってきたのか・・・だ。
陵南チームのみんなが「仙道」なら何とかしてくれると信じているんだ。
それに応えようと必死に頑張っている「仙道」に、ここに来て休めとは言えないだろう。
そして「牧」との決着もついていない。
もしかして「田岡監督」は、この試合・・・半分投げてるんじゃねぇ?(呆)
チームのみんなが「仙道」を信じてるのに、監督のあんたが信じないでどうすんだよ。
やれやれ・・・チームが強くても、監督が優れているとは限らないんだな。


「あいつはきっと負けない。」
「福田」の言葉に動かされて、「田岡監督」は「仙道」の負担を軽くするために、「福田」をコートに戻した。
そして「福田」は期待通りに得点を追加・・・これで陵南のオフェンス力が回復する。
ラスト20秒。
「牧」のボールを「池上」が弾き、「仙道」がボールを捕まえる。
そのまま速攻でダンクを決めに走る「仙道」。
それを阻止せんと「牧」が追いつくが・・・・。
残り時間が無い状況で、「牧」は「仙道」の思惑に気づいたようだ(さすがだね・・・牧)
「仙道」はファウルを誘ったんだよな。
「牧」がファウルしてくれれば、フリースローのチャンスが与えられる。
そこで得点を追加できれば、勝てると思ったんだろう。
だから「牧」はブロックを強行しなかったんだ。
試合終了直前、「仙道」のダンクが決まって同点になり、試合は延長戦に持ち越されてしまった。
たぶん「仙道」は相当体力を消耗していて、できれば延長戦は避けたかったんじゃないかな?


ところでこの第65話の試合の合間に、湘北の「安西先生」が急病で倒れるというドタバタがあるが・・・・・・陵南vs海南戦には関係ないので、解説は無し。
試合中にまるでテレビCMのように挟み込まれていたから、イラついた。
「ああ、もう!!! 安西先生はいいから、早く先を見せろ!!」
と叫んだのは僕だけじゃないと思う・・・(汗)



2008年9月9日火曜日

Slam Dunk33


なんとこの試合、「仙道」のポジションはポイントガードであった。
ポイントガードには、チーム内の動きを瞬時に把握する器用さと、オフェンスの流れを作る的確な状況判断が求められる。
つまり、司令塔の役目を担っている。
元々そういう素質は、小さい選手が持っていることが多いのだが、陵南の場合は「仙道」にそれがあると見られているようだ。
湘北の「宮城」のプレーで分かると思うが、相手に動きや考えを読まれないための冷静さを保ちながら、フェイクなどでブロックをすり抜けるテクニックを要する。
間違っても「桜木」のように、パスする相手を間違えるようなミスはしてはならないのだ。
試合開始早々から陵南はリードを奪う。
「仙道」のパスが、陵南チームの動きをよくしているようだな。
これだけ絶妙なパスを貰えば、メンバーも安心して動けるんだろう。


バスケットは5人でチームを組む。
相手が強ければ強いほど、個人プレーより的確なパス回しでチームが動いた方がゲームの流れは良くなる。
それも「仙道」の司令塔としての力量が優れているからだと思うが・・。


しかし、あの海南がそれを黙って見ているわけがない。
「牧」はスピードのあるパスで「清田」がシュートに持っていこうとするが、「仙道」に叩き落される。
確かにこの時点では、「仙道」が一番いい動きをしているようだ。
これを見ていた湘北は・・・・以前に陵南と試合をした時1点差だったことに自ら疑問を持つ。
たぶんあれだね・・・・その時「仙道」が本調子じゃなかったんじゃないかな?
あの日、「仙道」は遅刻してきて試合に臨んだ。
おまけに暴れまわる「桜木」に周りが翻弄されていたし、それを「仙道」はじっくり観察することに重きを置いていたから、実は陵南の実力はあまり発揮されていなかったんだよ。。
そしてあとから入ってきた「福田」の存在が「仙道」の力をより強力にしている気がする。
「牧」が「清田」とのコンビネーションを持つように、「仙道」には「福田」とのコンビネーションがいい形で戦力になっているんだな。


前半は、陵南が海南に10点差をつけて終了した。
後半開始後、「福田」がいいプレーをして得点していく。
「田岡監督」はこの「福田」に言いようの無い過去の思いを持っていた。
メンバーの中で一番下手だと思われた「福田」は、「仙道」に対してライバル意識をむき出しにしていた。
ある試合の最中、「福田」は「田岡」に”アチョー攻撃”を仕掛ける(汗)
たぶん「田岡」のオジンが、耳障りな言葉を「福田」に浴びせたからだろう。
この時「田岡」は「福田」を育てる方法を読み違えたと思っているみたいだね。
違うよ、おっさん(苦笑)
「福田」は「田岡」の額に蚊が止まっているのを発見したんだ。
だから、その蚊に向かって”アチョー攻撃”で撃退しようとしていたんだよ(ホントだって・・・笑)
言い換えれば、「田岡」の発言が選手を落とすような口汚い批判に成り下がっていたからだと思う。
「福田」はそれが許せなかったんだ。


元々「福田」は「仙道」に憧れていた。
一番下手だと思ったのは、「仙道」と比べていたからだろ?
「福田」には「福田」の才能がある。
それは「仙道」と同じプレーをすることじゃなく、「福田」が持っている資質を開花させたプレーでなければならなかったんじゃないか?
「田岡」のおっさんは「福田」の育て方を間違えたんじゃなくて、まったく「福田」という選手を理解していなかったんだよ。
どっちかというと、「仙道」」の方が「福田」を理解していたみたいだね。
「もっと・・・もっと褒めてくれ・・・。」
「福田」は本当はただ褒められたいわけじゃなくて、自信を取り戻したいんじゃないかと思うよ。
今まで、たった一人で練習しなければならなかったんだから・・。


「福田」の好プレーに触発されて、海南の「清田」が奮起する。
「牧」からのパスを受けて、「魚住」を凌ぎダンクを決めた 。
おお! 伊達に”真のルーキー”を名乗ってるわけじゃなかったんだな(笑)
この後、観戦していた「桜木」「流川」「三井」「宮城」はタッタカと帰ってしまう。
居ても経ってもいられなくなったんだろう(ゴリはいいのか?)


さて、「清田」のダンクからゲームの流れが変わってしまう。
「牧」の強引なシュートで相手のファウルを誘い、バスケットカウントワンスローを2回・・。
これでかなり得点差が縮んでしまった。
「牧」を止めようと「仙道」が息巻くが、簡単には止められない。
スリーポイントシューターの「神宗一郎」も、調子を上げてくる。
海南はどの試合も尻上がりに攻めてくるんだ。
初めは様子見で、各選手の分析をした後、相手チームの穴を見つけるのが上手いんだろうな。
スピードもある。
ここで陵南は最大のピンチを迎える。
陵南は作戦をディフェンス重視に変えて、「福田」を下げ「池上」を出す。
この後、ファウル3つの「魚住」が再びファウルを取られ、審判に詰め寄ったためとうとうテクニカルファウルを取られてしまった。
「魚住」退場決定(ひぇー)
「牧」は戦略家だなぁ。
「魚住」のファウルが3つになった時点で、陵南の穴は「魚住」にあると踏んだんだろう。
「福田」が下げられ、「魚住」が退場になると、もはや「仙道」だけが陵南の戦力だ。
そうなった場合、「仙道」にとってポイントガードというポジションは逆に仇になる。
司令塔であるためには、他にポイントゲッターが必要になるからだ。
その要素が薄れたメンバーで、海南相手に「仙道」だけで得点するのは難しいだろう。
後半になって、相当体力も消耗しているはずだしな・・。


さあ、陵南・・・どうする!


2008年9月7日日曜日

Slam Dunk32


湘北は武里相手に100点ゲームで勝利する。
この時点で、海南、陵南、湘北の中からインターハイ出場校が決まる。
次は、海南vs陵南の試合だ。両校共、勝ち上がってきただけあって、風格十分だ。
と思ったら、海南の「清田」は相変わらず目立ちたがりのズッコケキャラを維持していた(汗)
またもや前座で、ワンバウンドで落ちてきたボールをダンクで決めようとしたのだが、そのまま入ってしまったのだ(恥)
でも、もしかしたらこれって凄いことなんじゃないかな?
ワンバウンドでボールをリングに入れるなんて、スリーポイントシュートより難しいと思うけど・・・。
まあ、調子に乗り易いキャラだから、この辺りでズッコケておいた方がいいのかもしれない(いや、きっとそれが狙いだ・・)
深読みすれば、「清田」が緊張し易い性質があるんじゃないかと思う。
このお粗末なズッコケが、本人の緊張を和らげる効果があるのだ・・・・・と考えられなくもないが・・・。


反対側のコートでは、「福田」がきっちりダンクを決めて注目を浴びていた。
「福田」はおチャラケやらないのかな?
でもあの顔でそれやっちゃったら、もう救いようがない・・・とか言うなよ!(誰が?・・・・僕が)


あ、あれ??? 陵南の「福田吉兆」と海南の「神宗一郎」が見つめ合っているぞ(何だ?何だ?)
どういう関係なんだ? 気になる気になる(興味津々)
お互いに「フッキー」やら、「ジンジン」やらの呼び名で呼んでいる(笑)
「フッキー」は何となく分かるが、「ジンジン」って・・・・(爆)
中学時代に一時期だけ一緒にプレーしたことがあるようだが、それだけで「フッキー」とか「ジンジン」とか言うかなぁ?(怪しい・・)


更に、海南vs陵南の戦いは、監督という仮の名を持つオジンたちの戦いでもある。
この時の「田岡」と「高頭」が握手を交わすシーンの演出は、いったい何を意味しているのだろうか?(第二の謎だ・・)
もしかして「バロム・ワン」に変身するのかも・・・と思わず期待してしまったじゃないか。
この奇妙な2人の行動に動揺する選手たち・・・・(その気持ちよく分かる・・)
話を聞けば、「田岡」と「高頭」が選手として活躍していた頃はライバル同士だったという。
それも「仙道」と「流川」のような・・・(え?)
その話を聞いた選手たちから一斉に批判を浴びる「田岡」だった(当たり前だ・・汗)
しかし、どんなに納得いかなくても、そんなん絶対有り得んと思っても、年寄り相手に口汚く批判してはいけないよ。
本人たちは至って真面目にそう思っているんだからさ。


いよいよ、試合開始だ。
初めから戦々恐々とした雰囲気だな。
コートに出た「魚住」は「牧」を捕まえて、突然宣戦布告をする。
「神奈川ナンバーワンの看板は、今日限り下ろしてもらう。」
やけに強気に出た「魚住」だが・・・。
お前には無理だと、「牧」にあっさり否定されてしまった(立つ瀬無し・・汗)
「俺じゃない。 うちの仙道がやる。」
悔し紛れに、思わず「仙道」に振る「魚住」だった・・・(やれやれ・・)
「仙道」、物凄く困ってるぞ。
だけど、陵南では「仙道」が一番実力があるってことなんだろうな。
なんだか「仙道」は飄々としていて、そう見えないとこがいいんだが・・・。


どうやらこの試合・・・「牧」と「仙道」の一騎打ちになりそうな気配だ。


2008年9月6日土曜日

Slam Dunk31


いやあ、「桜木花道」見られていますね(笑)
あの頭じゃしょうがないですが、電車でも学校でも見られているわりに誰も近寄ろうとしません(笑)
それどころか、「堀田番長」には笑われるし、再び柔道部「青田」の勧誘に火がつくし・・。
ケジメをつけるためにやったはずが、別の影響が出てしまってるよな・・。


その日の練習を見に来た「安西先生」・・・・ピ、ピンクのシャツ着てる(汗)
妙に似合っていると思ったのは、僕だけだろうか?
この日は2、3年対1年の試合をすることになった。
ハンデとして「赤木」と「三井」は抜けている。
試合が始まると、メンバーの中では「桜木」が一番目立って活躍した。
強豪相手に試合を重ねてきただけあって、「桜木」を止めることができるのはスタメンだけだと「安西先生」は言う。
「しかし、こんなところで満足してもらっちゃ困る。」
おおお! 「安西先生」の目が光ったぞ。
こりゃ、一波乱ありそうだ。
そこに「三井」を投入。
「安西先生」の指示で、「三井」が「桜木」を止めることになったようだ。
「角田」はベンチに下がったが、「桜木」との直接対決でその脅威を実感していた。
しかし、「三井」は完全に「桜木」を封じ込めた。
リング下以外のシュートが入らない「桜木」は、ゾーン内に切り込もうとするが、「三井」に塞がれて動けない。
焦ってボールを放っても、まったく入らない。


「桜木」のプレーは物凄くアンバランスなんだな。
得意な部分では驚異的な強さを見せるが、それ以外では素人同然というわけだ。
でも何が問題なのかが分かれば、あとはそれを修正補充すればいい。
「安西先生」の狙い通り、この試合で「三井」は「桜木」の課題を浮き彫りにしたようだ。


さあ、武里戦まであと3日と迫った。
この3日間は、猛特訓の連続となる。
合計で1500本のシュート練習を続ける「桜木」だが、珍しく文句一つ言わずにやり遂げようとする。
たぶん地道な基礎練習から一段階アップしたシュート練習は楽しいんだな。
僕も練習の中でシュート練習が一番楽しかったよ。
リングにボールが上手く入ると、なんだか気持ちいいんだ。
皆、この反復練習を重ねることで上手くなっていくんだよな。
手の感覚と身体の動きをきっちり覚え込むことで、試合中のフォームを崩されないようにするんだ。
上手くボールが入る時のフォームは、どんな場合でも決まっていて、それを試合中の激しい動きの中で瞬時に掴むためには、身体で覚えなければいけない。
他のスポーツでも同じことが言えるんだが、例えば野球のピッチャーが投げたボールがストライクになるかどうかは、投げた瞬間に感覚で分かるという。
それは日頃の練習で掴んだフォームが、試合中にボールを投げたフォームと一致しているかどうかで分かるんだろうな。
だから、反復練習は欠かせないんだ。


いよいよ、武里との対決の日となった。
湘北、武里のどちらも一敗を帰しているので、まさに両者共「がけっぷち」なのだ。
それにしても武里の監督も丸々してて、第二の「安西先生」を思わせるな(笑)
しかーし、「桜木」はまたもや寝坊して遅刻。
やっと試合会場に着いた時には、あと5分しか残ってなかった(汗)
試合内容から見て、もしかしたら作者は武里戦をスルーさせるつもりだったのか?
その証拠に結局「桜木」は武里戦には出場しなかった。
「赤木」曰く、陵南に特訓の成果をわざわざ見せるこたぁないということだが・・・。
じゃあ、「桜木」は何のために来たんだ?ってことになるが・・・。


そりゃあ、もちろん・・・・・・・・笑いを取るためだろ(爆)


2008年9月4日木曜日

Slam Dunk30


海南戦を終えて翌日、湘北のメンバーはほとんど授業中に爆睡状態だった。
まあ、あれだけ競った試合をしたわけだから、疲れて当然かも・・。
でも「彩子」はそれを許さないのであった(彩子さん、強いっす・・・汗)
それというのも、残りの試合を全勝すればまだインターハイ出場の可能性は残っているからだ。
しかし、練習時間になっても「桜木」は姿を見せない。
やっぱり海南戦の後遺症だな・・・。


「晴子」が公園で一人ボーッとバスケをしている少年たちを見ている「桜木」を見つけた。
「桜木」・・・傷心の面持ち・・。
「晴子」は何とか立ち直って欲しいと励ますのだが・・。
しかし、この時の「晴子」は超カワイイっす(萌えー)
女の子というのは、どうしてこう男心をガシッと掴むのが上手いんだろうな(笑)
他のアニメでもこっちがビクッとなるほど、胸キュンになる時がある。
以前、僕がネットで女の子のブログを覗いた時に、衝撃を受けたことがあるんだ。
なんだろ・・・こう・・「それって僕に言ってるの?」って勘違いするほどカワイイ書き方だったから、しばらく一人でドキドキしてた(恥)
なーんて罪な娘なんだ(嬉泣)
これに男たちは引き込まれていくのだな・・・。
「桜木」もこの「晴子」の励まし攻撃に、悩み抜く術を失うのだった・・(哀しき男の性なり・・)


そこへ「福田(通称フクちゃん)」登場。
このちょっと風変わりな男、僕の好きなキャラの一人だ。
「福田」は「桜木」を呼ぼうとするが・・・・何故かどっちも自分から行こうとしない(笑)
彼は自分が尊敬する「仙道」が一目置いている「桜木」に興味があるようだ。


しかし、一人になると「桜木」はどうしても海南戦の失敗が頭をかすめてしまう。
その夜、体育館で「流川」と負けた責任を奪い合う喧嘩をする。
「負けたのは俺のせいだ。」 「いや、俺だ。」
・・・・って、なんか子供の喧嘩みたいに見えるけど・・・。
きっと、どっちも悔いが残る試合だったからなんだろうな。
それに殴り合うことで、互いに叱ってくれる相手を求めていたのかもしれない。
湘北のメンバーは皆優しいからね。
誰も責めようとはしないんだろう。


そして翌日・・・・・やっちまいましたねぇ(笑)
体育館に現れた「桜木」は・・・・・坊主頭に変身していたのだった。
後ろから見ると、まるでマッチ棒のようだな。
「桜木」としては、ケジメをつけたかったんだろうけど・・・・ケジメというより笑いを取った感じだ。
「三井」と「宮城」は大爆笑(桜木軍団まで・・・汗)
「晴子」曰く、「カワイイー、桜木くん」。
本当か? 本当にそうか? あのマッチ棒頭はカワイイのか?

またもや「晴子」の持ち上げマジックで、調子に乗る「桜木花道」であった・・・。


2008年9月3日水曜日

Slam Dunk29




時間が無くなっていく中で、湘北は何とか海南ディフェンスを切り崩そうとするが・・・。
しかし、一歩も譲らない海南。
「宮城」がゾーン内に切り込んで行こうとするが、中に入り込めない。
そこへ「三井」が強引に攻め込み、リバウンドを「赤木」と「桜木」に託した。
時に強引さも必要なんだな・・。
競った状態でチャンスを作るには、その均衡を破る勢いがなければならない。
「三井」が作ったチャンスを何とか活かそうと、ゴール下のポジション争いに拍車が掛かる。
しかし、「桜木」は思ったポジションを確保できなかった。
ボールはリングを外れ、ベストなポジションを取った海南がボールを取るかと思われたが・・・。
そこへ走ってきたのは、「宮城」だった。
「宮城」は下からボールを弾き、それを「桜木」がキャッチする。
残り時間20秒。
「宮城」直伝のフェイクで、「桜木」は海南ブロックを回避し、ダンクを決めた。
この時の勢いは「牧」をぶっ飛ばしたが、ファウルは海南側に取られた。


「桜木」のプレーに湘北チームは歓喜する。
ここ一番ってとこで、ダンクが決まると気持ちいいもんだな。
「桜木」もすげー嬉しそうだ(笑)
頭を撫でられてニコニコしてる様子は、まるでワンコロみたいだね。
観客席で見ていた「仙道」も「桜木」のプレーには目を見張った。
「俺が牧さんの立場でもああしただろ。 アイツはなんか勝負したくなる気を起こさせるんですよ。」
「牧」が無理をしてまで「桜木」を止めようとしたのは、勝ち負けを計算することより純粋にバスケをプレーしたかったからじゃないかな?
ここで勝負しなければ、「桜木」と勝負するチャンスはそんなに無いだろう。
たぶん「牧」は一人のバスケットプレーヤーとして、本能的にそう感じたんだと思う。


次のフリースローでボールを外せば、リバウンドで再度攻撃のチャンスを掴むことができる。
「桜木」がバスケを始めたきかっけは「晴子」がいたからだが、いつの間にか「赤木」の持つ全国制覇の情熱に心を奪われていたんだろうな。
自分勝手にプレーしているようで、実は「桜木」の中に湘北チームのメンバーの一人であることが試合を重ねる毎に染み付いていってんだと思う。
「ゴリが必ず取る。」
「赤木」を信頼して、「桜木」はボールを放った。
ボールはリングに弾かれ、「赤木」がそのボールを掴んだ。
すぐさま「三井」にパスされ、渾身のスリーポイントシュートを放った。
入った・・・・と思われたボールは、リングの脇に当たり跳ね返る。
それは数秒間の出来事だった。
「桜木」は必死にリバウンドを取って、「赤木」にパス・・・・したはずだったが・・・。
この辺り・・・・もう何も言えんね(泣)
最後のチャンスが失われた瞬間、パスした相手が海南の「高砂」だったと気づく。
試合終了。
90対88・・・湘北は海南に敗れた。


しかし、なんだね。
海南の「高砂」って選手の頭・・・・「赤木」の頭にそっくりなんだよな・・(汗)
わざと?・・・・・じゃないよな。
ありゃあ、めっちゃ悔しいだろうな。
「桜木」、ショックのあまり顔がグチャグチャになってるし・・。
なんか天国から地獄に逝ってしまったような衝撃的シーンだ。
だけど、この結果は純粋に海南が強かったってことだろう。
湘北も頑張ったけど、僅かに及ばなかったんだよ。


負けることは悔しいけれど、悪いことだけじゃないんだ。
負けることで、自分の足りない部分が解かるということがある。
強いものと戦うってことは、自分の足りないものを見つけられるってことでもある。
本当に強くなるためには、その足りないものを補い修正していく必要があるんだ。
だから、次に戦う時に勝つことができるような自分になればいい。
・・・・なんて言っても、今の「桜木」には慰めにもならないかもな・・・。
自分のせいで・・・という自責の思いはなかなか拭えないだろう。
そうだ! 「赤木」の頭を違う髪型にしてもらうとか・・・。
誰もしてないような髪型に変えれば、同じ過ちは犯さないはずだ・・・。
例えば・・・アフロとか(髪の毛が足りないか・・)
下手するとパンチパーマになるかもしれんしな。


全力で戦って、負けたんだ。
誰も「桜木」を責めたりしないよ。
むしろあの泣き顔は・・・見ていた全部の人の胸に焼きついたんじゃないかな。
よく男泣きするって言うけど、普段泣かないヤツが泣くと見てる方が辛いもんだ。
あとは自分で立ち直るしかないんだが・・・。


「三井」の時もそうだったよ。
泣きたい時は、思いっきり泣いていいと思う。
怒ったり笑ったりするのと同じで、泣くのも人間の感情の一つなんだから。
泣いた後って、不思議と冷静になっている。
混乱した頭から、フラストレーションが流れ出てしまうからだろうか?
泣けるほどいい試合をしたんだよ。
泣けるほどそこに深い思いを持っていたんだよ。


そんな風に思って欲しいな・・。


2008年8月30日土曜日

Slam Dunk28


第58話辺りから、何故か徐々に「赤木」の本領が発揮されていく。
怪我をした状態なので、本来のプレーとは少し違う別の部分のプレーに見える。
「赤木」が現時点でやらなければならないのは、海南の得点を完全に抑え、奪ったボールをチームのメンバーに繋ぐことだ。
それさえ確実に実行していけば、必ず逆転のチャンスが来ると思う。
だが・・・・。


「清田」のシュートを叩き落とし、精神的圧力(?)でフリースローを2本共外させた湘北は、何とかボールを繋いで行こうとするが、「宮益」に止められ、そのまま「牧」が早い動きでシュートを決めてしまった。
やはり海南に追いつくことは難しいのか・・。
6点差に追い上げられ、湘北はますます苦しくなってくる。
それを見た「高頭監督」・・・・また芭蕉扇を広げて扇ぎ出す。
いったい何本芭蕉扇を持ってるんだ?
もしかして、身体のいたる所に何本も隠し持っているのか?(恐るべし・・・高頭)
「さあ、一気に湘北を潰せ!」
この「高頭監督」が吼える声を聞いて「流川」がキレる。
「うるせぇ、じじい!(怒)」
とうとう「流川」に嫌われたじじ・・いや、「高頭監督」(汗)
こりゃかなりムカついたんでしょうな(その気持ち、よーく解かる)


この直後、「流川」からパスをもらった「三井」が渾身のシュートを決める(堀田番長、号泣)
しかし、なかなか点差が縮まらない。
両者共、一進一退の攻防が続き、時間だけが刻々と過ぎていく。
さすがに「牧」は、衰えを見せない。
既に湘北は疲れがピークに達しているようだ。
中でも「流川」は限界に来ていた。


残り時間が少ないことで、焦りの色が濃くなっていく湘北。
「宮城」からパスで「三井」がスリーポイントシュートを放つが・・・・入らない。
そして「赤木」がボールに食らい付く。
何とかもう一度攻撃に持っていこうと、必死に手を伸ばす。
ボールは指先で弾かれ、コートの外へ・・・。
この時の「赤木」の気持ちが僕にはなんとなく解かる気がする。
みんなが疲れて思ったように動けない状態で、無理でも「三井」は得点のチャンスを作ろうとした。
しかし、これが入らなかった場合、シューターとしての精神的ショックは避けられないだろう。
そしてこのチャンスを活かさなければ、また時間だけが過ぎていくことになる。
「安西先生」が「なんとか勝たせてやりたい・・。」と言っていたように、「赤木」もこの時なんとか「三井」のボールを得点に繋げてやりたいと思ったんだ。
この思いを感じ取ったのか、倒れ込んだ「赤木」の代わりに「桜木」がボール目掛けて飛び込んでいった。
「どけぇぇぇーーーーー!!!! (じじい!←心の声)」
「桜木」の手がボールを捕らえ、勢いよくコートの中に投げ込まれた。
その先にいたのが「流川」だ。
「流川」は、最後の力を振り絞って、渾身のダンクを決める。


しかし、最後の力を出し切ってしまった「流川」に、もう試合を続ける力は無くなっていた。
そして「三井」も・・・。
疲れきっている「三井」は、パスに反応できない。
それを今度は「小暮」がフォローに走る。
ここにきて、「赤木」の思いが湘北の強さとなって現れている。
完全に体力を消耗した状態で、必死で得点のチャンスを作ろうとするメンバーのやむを得ぬミスをカバーしようと、それぞれが身体を張ってボールに食らい付こうとする。
強豪の相手をしてきた結果、そのプレッシャーで通常の半分も思ったプレーができない状況の中、それでも味方の掴んだチャンスを一つも逃すまいともがく。
何もしないではいられない。
何もしないでは終われない。
海南に勝つというより、自分に負けたくないのかもしれない。
口の悪い湘北メンバーだけど、それぞれが背負ってきた過去をチームの皆が知っていて、それぞれが持っているバスケへの思いを皆が解かっているから、どんなに疲れていても思わず身体が動いてしまうんだろう。
この粘りは脅威だ。
海南がどんなに突き放そうとしても、湘北は何度でも立ち上がってくる。

こうなったら、あとは時間としぶとさだけがゲームを左右するだろう。

さあ、この勝負、勝つのはどっちだ?!


2008年8月29日金曜日

Slam Dunk27


「少し早いが、勝負を賭けます。」
おおお? 「安西先生」が意味深な言葉を言っている。
どうやら「安西先生」は、海南の要である「牧」を4人掛りで抑える作戦らしい。
そして、一番体力を温存していた「桜木」が重要な役目を果たすようだ。


そして試合が続行された。
湘北は作戦通りに4人で「牧」を囲む。
さすがに4人相手ではキツイだろうな。
動きが取れなくなった「牧」は、外へパスを出そうとするが・・・。
しかしスリーポイントシューターの「神宗一郎」に「桜木」がピッタリ貼り付いてパスを渡さないようにしている。
得点力のある2人をガッチリガードすることで、海南のシュートチャンスを奪おうというのだ。


この作戦は湘北チームにとっても、最良のディフェンス形態だと思う。
この時点で「赤木」「三井」「流川」「宮城」の4人は、相当体力を消耗している。
4人で1人をマークするなら、個人的に動くよりも格段に身体が楽なはずだ。
そして一番スタミナを維持している「桜木」が外を守ることで、幾分その穴を埋めることができるだろう。
ボールを奪った後は、「桜木」が速攻で走る。
だが、シュートはイマイチ決まらない。
本当に一か八かなんだね(汗)
そこを「赤木」がフォロー・・・ダンクを決めた(ふぅ・・・危ないとこだった)


結局次も、海南は攻撃が思うように出来ないまま、湘北にボールを奪われる。
「桜木! 走れ!」
「赤木」の指示に、速攻で走る「桜木」だったが、それを「牧」が追う。
そしてダンクを決めようとする「桜木」の前に「牧」が立ちはだかった。
この一騎打ちで、「桜木」はボールを叩かれ「牧」はインテンショナルファウルを取られた。
この後の「桜木」のフリースローは意外なものだった。
格好は悪いが、下から放り投げるスタイルは、ボールを確実にリングに入れることができた(たぶんマグレ)
「桜木」は下手は下手なりに一生懸命考えているんだな。
つまり上手い人のマネだけでは、自分の実力が発揮できない場合、自分流のやり方を模索してみるべきだということだろうか。
格好がどうであれ、目的はボールをリングに入れることだ。
その目的を達成させることができないなら、どんなことも意味が無くなってしまう。


ところで、僕は文章を書くことが好きなんだが、途中で何度も書くのを止めている。
何故途中で止めるんだ、と言う人がいたんだけど、それにはちゃんと理由があったんだ。
続けることだけがいいわけではない場合がある。
一度リセットすることで、状況を変えるきっかけを作れるからなんだ。
例えば、書き続けている内に、書きたいことが書けなくなってくる時がある。
書いたことが上手く伝わらなかった場合、そのまま続けることは誤解を招く。
思い切って止めることは、次へのステップを踏むことでもあったんだ。
文章が上手な人は、長く書き続けていられるけど、僕には挫折や失敗した時点で、一度白紙に戻し、一からやり直すことが必要だと思った。
次に書き始める時、その挫折した経験を活かすことができれば、一歩上達したことになるんじゃないだろうか。
元々不器用だからね(苦笑)


「桜木」も不器用な男だと思うよ。
運動能力は優れているのに、まだそれをバスケという枠の中で活かすことが出来ずにいる。
もちろん練習不足という面があるのかもしれないけど、自分流のやり方をまだ見つけ出せていない。
自分に合ったやり方というのは、他の人と違うはずだ。
個性があるように、癖というか、自分らしいやり方をそれぞれが持っていると思う。
だから「桜木」が「牧」や「仙道」になれるかと言えば、なれないだろうな。
やっぱり「桜木」は「桜木」なんだよ。
格好悪いけど、誰も他の人がやらないけど、下から放り投げるフリースローシュートは、まさに「桜木」らしいやり方じゃないかな?


「桜木」が一人で走り回っている間、湘北メンバーの体力も回復し動きがよくなっていく。
パスの動きもスムーズになり、連携プレーで得点を稼ぐ。
海南も「宮益」を出し、シューターを2人に増やしてきた。
残り時間あと4分半。
もう後は、どちらがどれだけ粘れるかに掛かってくるだろう。


いよいよ、大詰めだ。


2008年8月28日木曜日

Slam Dunk26


さあ、いよいよ「牧」の巻き返しが始まる(ダジャレじゃないよ?・・笑)
ずっと「牧」をマークしてきた「宮城」は一つの懸念を持っていた。
「牧は・・・まだ本調子ではないのでは・・・。」
と、その途端素早いボール捌きで「宮城」をかわし、「赤木」にボールを止められながらもシュートを決めてしまう「牧」。
このプレーだけでも、伊達に海南が常勝してきたわけではないことが解かる。
これで、海南は湘北を簡単に抑え逆転してしまった。


しかし、「赤木」も黙ってはいない。
「流川」からパスで、更に得点を追加し、リードする。
だが、その直後に「牧」が「宮城」を抜いてシュートを撃つ。
それを「赤木」と「桜木」が止めようとするが・・・止められなかった。
「桜木」の指が当たっていたにも関わらず、ボールはリングに吸い込まれていった。


「牧」の強さは、完璧なボディコントロールと飽くなき勝利への飢えにある・・と「赤木」が分析する。
何でもそうだが、自分の身体が万全でなければ最大限の力を発揮することはできない。
そのベストな状態を常に維持することは、勝利への第一歩だと思う。
怪我や病気、あるいは精神がネガティブな状態だと、それまで必死で練習してきたものを試合で出すことは難しくなる。
まずは、勝つための材料をすべて揃えることが必要なんだろう。
万全な肉体を鍛え上げれば、多少のトラブルも難なく防げるはずだ。
この辺り、湘北は少し違う見方ができる。
見てると、喧嘩や怪我のトラブルに見舞われることが多いみたいだが、むしろ湘北メンバーにはトラブルが多過ぎて、それを回避する経験が豊富であることが強さの秘訣になっている気がする。
つまり、喧嘩で鍛え上げられてしまったということだろう(笑)
でも「牧」よりはかなり不安定ではあるが・・・。


そして、勝つことに対する執着心も強さを発揮するカギの一つだと思う。
「赤木」が1年だった時の先輩が、試合で勝てなかったのも、この勝つことに貪欲でなかったからだ。
勝つために出来ることをすべてやろうとする気持ち。
相手が誰であろうと軽く見ることはせず、十分に分析し、自分に足りないものがあれば補おうと努力すること。
「清田」が試合中に油断し掛けた時、「牧」に諭されるシーンがある。
ただ勝つだけでなく「常勝」を守ろうとするなら、「このくらい・・」という気持ちは捨てなければならない。
試合中には必ず予想外のことが起こる。
気が緩んでいると、その予想外に対応できなくなるんだ。
海南が「常勝」してきたのは、「牧」がその拘りを持って皆を引っ張ってきたからだろう。


湘北は「牧」を止めることができない。
「宮城」と「三井」、更には「桜木」と「流川」の二段ブロックにも、「牧」は瞬時に対応する。
ボールはフリーになった「神宗一郎」に渡り、スリーポイントシュートを決められてしまった。
自分で言うだけあって、入り出したら止まらないようだ。
あっという間に、点差が開いてしまった。
「高頭監督」曰く、『うちに天才はいないが、うちが最強だ。』
入部当初は才能も何も持っていなかった「神宗一郎」だが、その飽くなき反復練習の結果、その技術を磨き上げたという。
しかし、僕は「神宗一郎」に才能がなかったとは思えない。
才能というのは、開花させて初めて「才能」だと認められるものだ。
恐らく彼の才能は何も持っていないように見えるくらい表面に現れていなかっただけで、実はそれまで彼の中に眠っていただけなんじゃないだろうか。
彼が反復練習でその技術を手に入れたのは、他の技術より自分に合っていると判断したからだと思う。
つまり、元々その才能があったと言っていいと思うんだけど・・。


皆、自分の中に眠っている才能がどんなものかを知らない。
自分が解からないんだから、他人にはもっと解からないだろう。
だから、自分には才能がないとか、あの人には才能があるとか、簡単に言うべきではないんだ。
自分というものの中に、物凄い可能性があると信じることができるなら、その個性の中に必ず何かの才能を見つけることができるんじゃないだろうか。
例えば・・自分が好きだと思うことを徹底的にやってみることだ。
途中で諦めてはいけない。
納得できるまで、少しずつでもいいから続けていくこと。
邪魔が入ろうが、他人から叩かれようが、何かを掴んだと思えるまで頑張ってみる。


僕も自分が何に合っているのか判らなくて、何度も挫折した経験がある。
ちょっと齧っては、止めてしまい、その時手元に残ったのは劣等感だけだった。
そういう僕に、周りの評価が低いのは当たり前なんだが、やっぱり悔しいんだな・・。
僕にできること・・・僕にしかできないこと・・・それを必死で探した時期があった。
これなら僕に合ってると思うことを見つけても、必ずそれを打ち崩すことが待っていた。
だから何かを掴むためにまずすべきことは、困難に負けない自分を作ることだったよ。
トラブルや障害に負けない自分が確立されてやっと、自分がしようと思っていたことが出来るようになったんだ。


それと同じように海南のメンバーは、毎日の厳しい練習の中で鍛えられていったんだと思う。
「牧」が湘北の勢いに負けない強さを見せるのも、スリーポイントシューターの「神宗一郎」が常にきれいなフォームでシュートを決めるのも、混戦した試合の中で自分を維持できるよう鍛えてきたからだろうね。


点差が開いたまま、海南の勢いを崩せない湘北は、タイムアウトを取る。
「安西先生」に海南を攻略する策はあるのか?
湘北、ピンチ!



2008年8月27日水曜日

Slam Dunk25


後半から「赤木」が復帰する。
しかし、足の怪我は予想以上に苦痛を与えているようだった。
そこで、ジャンプボールは「桜木」が代わりを買って出る。
そして後半開始早々に、「赤木」が意地を見せ、ダンクを決める。
ついに湘北が逆転した。
「赤木」は、自分が湘北の精神的主柱であることを自覚しているのだろう。
いくら激痛が襲ってきても、それを表に出すことは許されないと思っている。
それは「赤木」がダンクを決めた時のメンバーの顔を見れば解かると思う。
試合中の不安は、ゲームの行方を左右する。
「流川」の快進撃も、「赤木」が抜けた不安を払拭するためだったはず・・。


何でもそうだが、不安は迷いを生み、時間と勢いを失わせてしまう。
何かをやり遂げたいのであれば、まずは不安を取り除くことが大事だと思う。
それは日頃の練習であったり、チーム間の信頼であったり、大事の時の早い決断であったりする。
そしてもう一つ・・・成し遂げた時の明確なビジョンを持つことだと思う。
「赤木」の頭の中は、既に海南に勝った時のビジョンが出来ているんだろうな。
そこに辿り着くために必要なことを一つ一つ実行していけばいいわけだ。
それが出来ていれば、試合中に感じる不安もすぐに元に戻すことができる。
ただ怪我という重いハンディキャップを背負ったままなので、その道のりは険しいものとなるだろう。


「足は痛くねぇんだな? ゴリ!」
「桜木」が「赤木」のダンクを見て、安心したように言うが・・・。
バカやろ!! そんなこと言うな!!(笑)
痛いに決まってんだろ!(赤木涙目)


「赤木」が1年の時の湘北バスケ部の目標はかなり低かったようだ。
大健闘と言う先輩に食って掛かる「赤木」の回想シーンがある。
「赤木」はこの頃から大きな夢を持っていたんだなぁ・・。
大きな夢を持つ者は、それだけ苦労も大きい。
だけど、苦労をしたくないために夢を捨てるのはナンセンスだ。
それは人間が人間である意味と繋がってくると思う。
その手や足は何のために付いているのか?
その目や口や頭は何のために付いているのか?
人間は何故地球上の生き物の中で、一番優れた機能を持っているのか?
例えば、高機能パソコンをメールの送受信だけにしか使わないのと似ている。
それだけなら、高機能でなくてもいいということになる。
優れた機能を有しているということは、何かをするための大きな可能性を持っていることになるのではないだろうか?
だから人間は夢を持ち、その可能性を実現させるために生きている・・・と僕は思う。


「赤木」が1年の頃、「小暮」と共に翔陽vs海南戦を見学に来ている。
そこで自分と同じ学年の「藤真」と「牧」を見た。
その頃既に彼らはスタープレーヤーとして活躍。
「赤木」が夢を抱くきっかけを作っている。
つまりこの時「赤木」は、「藤真」や「牧」に近づける何かを自分の中に見つけたんだと思う。
そうでなかったら、「同じ1年なのに凄い選手だな」・・・だけで終わっていたはずだ。


「赤木」の気迫に、湘北メンバーは安心する。
怪我をしている「赤木」が頑張っているのに、自分たちが頑張れないはずはない。
湘北メンバーは、負けることが嫌いだからね(笑)
相手のチームに対してもだけど、自分のチームに対しても個人的に負けることが嫌いだ。
誰か一人でも踏ん張っている者がいれば、皆勝つという気持ちを維持していられるんだと思う。
「赤木」が抜けた時は、「流川」が踏ん張りを見せたし・・。
このチームワークは、たぶん湘北の強さの一つなんじゃないかな?


しかし、海南にはそれだけでは勝てないだろう。
テクニックと強さと存在感を持つ「牧」がいる限り、簡単に勝たしてはもらえないはずだ。
さあ、どうする! 湘北。


2008年8月26日火曜日

Slam Dunk24


タイムアウトを取った海南のベンチでは、「高頭監督」が一人で鼻息を荒くしていた。
「流川一人になんてざまだ、お前ら!ヤツはこの間中学を卒業したばかりだぞ。」
なーんて言ってますが、僕が前に言ったように「高頭監督」も「流川」を甘く見るという油断を犯していたみたいだね。
中学を卒業したばかりというのは、何の意味もないことだよ。
「流川」はその中学で既にスーパープレーをしていたわけだから・・。


雑誌記者の「相田」も「流川」を誤解していたと気づく。
「彼は既にゲームを支配している。」
ゲームを支配するというのは、その人の一挙手一投足がゲームの流れを決めてしまうほどの影響力を持つことだ。
この時の「流川」は、海南も湘北もどちらをも巻き込むようなプレーを連発している。
だからまるで1対9で試合しているような錯覚を起こす。
「相田」が誤解するのも仕方ないかもしれない。


この時点で「流川」のプレーを冷静に見ていたのは「牧」だけだったと思う。
湘北のちょっとした隙を狙って、瞬時に得点を返してくる辺りさすがだ。
だから「流川」は、それをさせまいと必死にシュートを決めようとするんだ。
気を抜けば、すぐに離される。
「赤木」が帰ってくるまでは、何が何でも同点に漕ぎ着けなければならない。
もし「赤木」が帰ってきても、あの足では思い切ったプレーは期待できないからね。
できるだけ、精神的な負担を掛けずに前半を終わらせたいと思ったんだろうな。


海南は、これ以上得点を入れさせないためにディフェンスを強化させてきた。
「桜木」にボールが渡ると、海南は3人でボールを出させまいとする。
3人に囲まれたらキツイだろうな。
「桜木のフンフンディフェンス」ほどではないけど、ボールを出せる場所は限られてくる。
「桜木」が目を回しそうになっている時、味方が走ってくるのが見えた。
まるで救世主のように・・(笑)
いつも「流川」にだけはボールを渡さなかった「桜木」が、この時ばかりは「流川」を目掛けてパスをする(そんなに嬉しかったのか・・)
そしてそのままダンクに持っていこうとするところを「牧」が止めようとジャンプする。
しかし、「流川」は空中でフェイント・・・「牧」をかわしてダンクを決めた。
このプレーに観衆は度肝を抜いたが、それでは終わらず、更に「流川」は「清田」の隙を突いてボールを奪い、そのままシュートしてしまった。
このシュートで、とうとう湘北は海南に同点まで追いついた。


時に人は精神を極限まで集中させると、感覚が極端に鋭くなる。
この時の「流川」は、シュートに持っていくためのラインをすべて読み取っていたような気がする。
たぶんまるでコンピューターのように、頭の中でゴールまでのラインを弾き出していたんだろう。


「流川」の快進撃に「高頭監督」は芭蕉扇(僕にはそう見えた・・)を折るという暴挙に出た。
ダメだよ・・芭蕉扇折っちゃったら、煮えたぎった頭を冷やすことができないだろ?


そして前半終了。
この時「赤木」が戻ってくる。
「流川」は疲れ果ててるみたいだ。
そりゃそうだな。
あれだけ離されていたのを一人で同点まで追い上げたわけだから。


ハーフタイムの間も「高頭監督」の檄が飛んでいた。
ここで「清田」が「流川」のディフェンスに徹することを決意。
余程悔しかったんだろうね。
「できるのか?」という「高頭監督」の問いに「できる!!!」と答えた「清田」。
しかし、このシチュエーション・・・どうも僕には「スリムクラブ」のコントに見えて仕方がないんだが・・(笑)

2008年8月25日月曜日

Slam Dunk23


「桜木」が引っ込んでいる間、湘北を引っ張っていくのが「流川」だ。
つーか「桜木」が出ていると、「流川」にボールを渡さないよう邪魔をするからなんだが・・。
点差が開いた時点で、自由(?)の身になった「流川」は、何とか点差を縮めようと健闘する。
そして「桜木」の穴を埋めようと「赤木」がリバウンドを取る・・が、着地時に足を捻挫してしまう。
どうも酷く捻ったようで、プレーを続けることはできそうにない。
ついに「桜木」はコートに戻るチャンスを手にした(大丈夫か?)
しかし、「赤木」は湘北のリーダーであり精神的主柱なので、彼が抜けるのは湘北の戦力低下を意味する。
・・・・と雑誌記者は言っている。
でも、本当にそうだろうか?


「赤木」は確かに湘北メンバーをここまで引っ張ってきた。
だが、湘北メンバーはそれぞれが個性的で一人一人が自立した考え(自己中ともいう)を持っている。
常にゴール下を死守してきた「赤木」がいないのは心許無いだろうが、「赤木」でなければ死守できないほど弱いチームでもない。
「赤木」の代わりになる「桜木」がゴール下を守ることで、最低限の戦力低下は防げているのではないだろうか。
むしろ「桜木」にとってゴール下に専念できることは、無駄な動きが減っていいことのように思える。
その証拠に、この後「桜木」のファインプレーが続いていく。
自らを「キングコング弟」と称し(あまりいいネーミングとは言えないが)、「赤木」の代わりを果たそうと踏ん張っている。
でも顔まで似ることはないと思うよ・・・(変な顔だし・・)
このことで「桜木」は自分ができることが何かを頭の中で整理できたようだね。
できることのみに全力を注ぎ、できないことは他のメンバーに任せればいいのだ。
つまり、今までは目立つこと(流川に)勝つことばかりに気を取られていて、自分が何をすべきかが解かっていなかったことになる。


そしてこの後から「流川」の猛攻が始まる。雑誌記者の「相田」は、「流川」を自己中心的なプレーヤーだと決め付けて見るが、実はそうではないんだ。
確かに個人プレーが多い「流川」だが、それにはちゃんと理由がある(よく見てれば解かるのにな・・)
彼が個人プレーに走る場合、他に手段が見当たらない時がほとんどである。
今回の猛攻も、「赤木」が抜けたあげく、「宮城」も「三井」も動けない状態に追い込まれているのを知って、得点差を縮められるのは自分だけだと判断したからだろう。
バスケには制限時間がある。
そのことを頭に入れていないと、海南という強大な相手を前に時間が刻々と過ぎて、得点するチャンスを逃してしまうのだ。
そして多少無理なプレーであっても、得点が入れば勢いがつく。
その流れを作るためにも「流川」が動く必要があったんだと思う。
この時「流川」の頭の中は、一刻も早くそしてできるだけ多く得点することだけだった。
そしてその通り実行していったのだ。
一刻も早く・・・できるだけ多く・・・着実に・・。


「宮城」と「三井」曰く、無口で生意気なヤツ(笑)らしいが、「流川」はかなり誤解されているようだ。
無口なのは集中力があるからで、「赤木」がいない湘北を彼なりに素早く分析し、自分ができる最大のことを考えて結論を出したわけだ。
彼が得点すれば、他のメンバーは「赤木」がいない不安を打ち消すことができ、自分のプレーに集中できる。
どちらかというと「赤木」は声を出し、チームに気合を入れながら引っ張っていくが、「流川」は自分が好プレーを見せることで、黙ってチームを引っ張っている。
「流川ファン」が女だけじゃないのはその辺にあるんじゃないだろうか?


湘北メンバーも、「流川」のプレーには震撼させられていく。
そして危機を感じた海南がタイムアウトを取った。
お・・涼しげだった「高頭監督」の顔が固まっちまいましたねぇ(笑)



2008年8月24日日曜日

Slam Dunk22


「桜木」のあだ名作戦の真意を見抜いたのか(違うと思うが)、高頭監督が「桜木封じ」を決行する。
メンバーチェンジで「神宗一郎」の代わりに「宮益」が出てきた。
この「宮益」、まるでバスケ選手らしからね感じだが、海南の厳しい練習に耐えた数少ない部員の一人だった。
部員の信頼も厚く、練習中に見せた根性を皆が高く評価しているらしい。


「宮益」の実力を試そうと、「宮城」が果敢に攻撃を仕掛ける・・・が、あっさりボールを取ってしまう。
これで「宮益」の実力が大したことが無いのが解かる。
しかし、「宮益」の実力は技術ではなかった。
この場面をよく見れば解かるけど、「宮益」のミスに海南メンバーが瞬時に反応している。
つまり、「宮益」を助けるために海南メンバーが動くというチームワークができているのだ。
湘北とは逆だな(笑)
時々、こういう人物がいるだろう。
ただいるだけなのだが、その場の雰囲気を和らげたり、自然に人が集まってくるような人が・・。
本人はまったく優れているように見えないのに、何か惹きつけられるものを持っているんだろうな。
だからこの「宮益」は、バスケ選手としての価値より、チーム間の信頼を勝ち取った人物と言えるのではないだろうか。


おまけに「宮益」は「桜木」にボックスワンで付くことになっていた。
誰もがミスマッチだと思ったが、すぐにその理由が明らかになる。
「宮益」は「桜木」を挑発するが、シュートを止めるためのディフェンスをしない。
張り合いのない「桜木」は、ことごとくシュートを外す。
まるでそれが「桜木」の実力だと言わんばかりに・・(笑)


例えば、徒競走などで足の速い人と競争すれば、自己記録を上回る走りができることがある。
しかし、足の遅い人と競争すれば、その人自身の実力しか出すことができない。
何にでも当て嵌まることだが、よく追いかけられる側より追いかける側の方が伸びると言われる。
それはたぶん相手の勢いに自分を乗せようとするからだろう。
もしかしたら、本当の実力というのは、競争相手のいない孤独の中でしか見ることができないのかもしれない。
普段の練習の中の自分が持っている力こそ実力であり、公式戦などで実力以上のものを出した時は、周りの強豪の力に乗った結果なのではないだろうか。
とはいえ、そうやって公式戦で実力以上のものを出せるのも才能の内だと思う。
強い相手と戦わなければ、新しい技術も習得できないし、強さの秘訣も手に入らない。
大概はその方法で自分の力を伸ばしていくわけだからね。


ただ「桜木」は自分の実力を自覚していないところがある。
公式戦で実力以上のものを出そうとしても、練習時の基礎があってこその上乗せになるはずだから。
その基礎ができていない「桜木」は、こういう場合自分の本当の実力しか出せないのだ。
逆に「宮益」は基礎ができているので、難なくシュートを決めてしまう。
ここで面白いことに「翔陽戦」での逆の構図が見える。
翔陽は「桜木」を軽く見ていたために、「桜木」が実力以上のものを出した時動揺して負けてしまった。
今回は、「宮益」を軽く見た結果、得点を入れられてしまったわけだ。
うーん・・バスケは奥が深いねぇ(笑)


焦った「桜木」は、「赤木」にシュートを入れるコツを聞こうとする(試合中にそれはどうかと・・)
「赤木」はこの時ダンクだけ狙えと指示を出すが、それを見抜いた「牧」が「宮益」に攻略法を指示。
ダンクを封じられたら、あとはもう打つ手が無い。
結局、「安西先生」は先手を取って「桜木」をベンチに戻した(賢明な判断だな・・)
恐らく、使いものにならないからではなく、「桜木」にこれ以上自信を失わせたくないからだろうな。
「小暮」も言っているが、「桜木」は湘北のムードメーカーだ。
彼が勢い付けば、チームも勢い付く。
「桜木」がベンチにいる間、「安西先生」は何か方法を見つけるつもりなんじゃないかな?

どうやら海南戦は、監督同士の采配がものを言いそうだ。
何と言っても、珍しく「安西先生」がよく動いている(笑)



2008年8月23日土曜日

Slam Dunk21


いよいよ第50話から海南vs湘北の試合が展開される。
湘北は、強豪海南相手にどんな試合をするのか楽しみだ。
でも、海南と湘北のメンバーって、キャラは違うけど同じタイプが多い気がする。
特に「桜木」と「清田」は完全にキャラが被ってると思う(バカっぽいとこが・・)
おまけに「流川」をライバル視してるとこも・・。
2人でボール捌き競争をする辺り、どちらも目立ちたがりなのがよくわかる。
しかし、バスケの公式戦には試合前に前座があるとは知らなかったよ(笑)
是非、コンビでお笑い界に進出して欲しいものだ。


試合開始早々から、湘北の速攻で「流川」がダンクを決めようとする。
だがそれを「牧」に止められた上、パスカットで海南ボールになってしまう。
そのまま「清田」にボールが渡るかと思われたが、「桜木」が特大ジャンプを見せて奪い返した。
残念ながら、トラベリングでファウルを取られはしたが、湘北は初めから海南に競る勢いを見せ付けたのだった。


海南の攻撃に対して、湘北はマンツーマンで対抗する。
雑誌記者の「相田」によれば、湘北はマンツーマンが得意だと言う。
その理由はすぐに解かった。
「桜木」が「牧」に言った「老けた顔」発言がその典型だろう。
いや、むしろ僕は控え室にいた時の「牧」の顔は「ケンシロウ」に似てると思ったんだが・・。
考えてみると、高校生らしからぬ顔の選手って結構出てくる。
たぶん「赤木」が浮かないよう作者が配慮したんだろう。
だが「牧」も負けてはいない。
「赤木」を引っ張り出して、「桜木」の矛先を逸らす作戦に出た(おお、さすがだ・・)


・・・と、こんな風にマンツーマンだと相手の特徴をじっくり観察するのが容易だからである。
恐らく今までの「桜木」の奇妙な発言は、相手を惑わす心理作戦だった・・・とも言えるのではないだろうか(単なるバカ・・とも言えるが・・)
そしてとうとう「牧」をあだ名で呼ぶのに成功している。
大変失礼な呼び方ではあるが、これも「桜木」の作戦だと思う。
あだ名で呼ぶと親密感があって、相手が油断すると考えたのではないだろうか(そこまで考えてないかもしれんが・・)
陵南の「魚住」は「ボス猿」、「田岡監督」も「じじい」呼ばわりしている。
これが怖いもの知らずと言われる由縁である。
しかし、この作戦には落とし穴があって、相手が油断するのと同様、自分も油断する可能性が大きい。
ところが「桜木」の場合、油断させた相手に油断させられると、返って怒りが込み上げてくるようなので、気持ちを高ぶらせるのにはちょうどいいのかもしれない。
ほとんど「自ら撃ち、自ら取ーる」のリバウンドの構図と同じだな(笑)


余談だが、僕は是非とも「桜木」に「高頭監督」にあだ名を付けて欲しいと思っている。
一目見ただけで思わず笑ってしまいそうになるので、とても気になっているのだ。

2008年8月22日金曜日

Slam Dunk20


「葉子」の様子がおかしかったので、心配になった「桜木」は武園に潜り込んで真相を突き止めようとする。
だからさー、そんなのほっとけばいいじゃん。
結局、大したことも言えずに帰ってきてるし・・。
うーん、「桜木」がバスケを始めたきっかけが「葉子」の彼氏「小田」だから、気になってしょうがないのか・・。
とりあえず、あれが「桜木流」の激励だったんだろうな。
ライバルだから「頑張れよ」とは素直に言えないってことだ。
口が悪いのは、「小田」の本音が聞きたかったからじゃないかな?
「葉子」が何も言わないのは、「小田」が怪我のことを隠していたからだし・・。
そういう男だから、誰にも本音を吐かない性格なんだろうな。
「桜木」は「小田」がどれだけ本気なのかを確かめたかったんだと思うよ。
「小田」が全国制覇という夢を口にしたのを聞いて、「桜木」は安心したと同時に自分の気持ちも奮起したに違いない。
だから徹夜で練習なんて無謀なことするわけだ。


いよいよ武園vs海南の試合が始まった。
この試合、海南は「牧」「清田」の主力メンバーを抜いたチームで当たってきた。
初めは武園が調子を上げ、続けて得点していく。
だが、「小田」の怪我が試合中に悪化し、チームの足を引っ張るようになると、途端に海南の猛攻が開始された。
スリーポイントシューターの「神宗一郎」が、次々と得点を上げついには100点を超えてしまう。
何とか追いつこうとする「小田」は、無理がたたって倒れこんでしまった。
なんだかこの場面、「三井」の時と似てる気がする。
怪我のことを考えれば、これ以上続けることは困難だと思う。
でも、今は公式戦の真っ最中で、ここで止めれば念願だった全国制覇の夢は絶たれるだろう。
さあ、どうする?小田!


足の痛みに必死に耐えている「小田」に「桜木」が問いかける。
「こんなところでぶっ倒れてて、全国制覇だ?笑わせんじゃねぇ!てめぇの夢はこんなもんなのかよぉ!」
恐らく「小田」にとって、今回の怪我は今までで一番堪えた悪条件だったのだろう。
武園には「小田ファン」がたくさんいる上に、「葉子」という彼女も応援している。
どん底に落ちても常に誰かが支えてくれるという甘い環境にあって、今怪我を理由に退場しても誰も彼を責めたりしないはずだ。
むしろ心配してくれる人は多いだろう。
会場からは「小田くん、可哀想・・。」という言葉が聞こえてるし・・(もしかして桜木はこれが気に入らなかったのかも・・)
だけど、今退場してしまうと「小田」は、それ以上頑張るということができなくなる。
自分で限界を決めてしまうんだ。
上手くなりたい、もっと上に上がっていきたいと思うなら、もっとギリギリまで自分を追い詰めるという挑戦をしてもいいんじゃないだろうか。


心が負けてしまうと、身体は動かなくなる。
精神を鍛えるには、逃げ場の無い公式戦は絶好の鍛え場所だ。
「小田」だって、毎日物凄い量の練習を重ねてきたはずだし・・。
その練習で苦しんだ日々を信じる気力があるなら、ぶっ倒れる最後の時まで踏ん張ってみるべきだと思う。
僕も同じような経験がある。
「もうダメだ・・」と思った瞬間、苦しさに耐え兼ねて気を失ってしまった。
そして目が覚めた時は、10分経った状態だった。
そこで止めることはできたんだが、「まだいける」と思った僕はそのまま続けたんだ。
あの時止めてしまっても、誰も咎めはしなかったはずだけど、自分自身が納得できなかったんだな。
戦うということは、挑み続けることだ。
挑み続けるということは、前進しているということだと思う。
それがどんなに鈍い進み方であっても、確実に前に進んでいるんだ。


「桜木」の言葉に「小田」が奮起する。
倒れ掛かっていた気持ちを持ち直し、試合続行を決めた。
そして武園は最後の力を振り絞って戦った。
結果は海南の圧勝に終わったけれど、「小田」にとっては特別な試合になったんじゃないだろうか。


「小田」は何のために全国制覇の夢を追いかけていたのか。
実は全国制覇が目的だったわけじゃないんだな。
誰かとその喜びを分かち合うため・・なんだと思う。
「桜木」も「宮城」も「赤木」も「三井」も「流川」も「小暮」も「彩子」も「晴子」も「安西先生」も・・・。
皆で夢を追いかけているのは、皆でそれ達成した喜びを分かち合いたいからなんだ。


その夢が大きければ大きいほど、喜びも大きいんだろう・・・。


2008年8月21日木曜日

Slam Dunk19



翔陽に勝って、興奮覚めやらぬ「桜木」。
惜しくも得点にはならなかったものの、最後のスラムダンクですっかり人気者(?)になった「桜木」は、予想通りいい気になっていた・・。
早朝から練習する熱の入れようで、「赤木」を驚かす。
その時「晴子」が持ってきた新聞に試合のことが載っているのを知った「桜木」は、学校中に配ってるし・・(変装せんでもイイと思うが・・)
しかし、気になったのは、登校してきた「流川」の自転車がピンクだったのには驚いた。
ピンクの自転車といえば、「桜木軍団」が乗っていた自転車もピンクだった気が・・・(何故ピンク・・?)


更に気になるのは、海南vs武園戦だ。
何が気になるって・・(笑)
そりゃあ、武園には「桜木」をふった50人目の女の子「葉子」がいるからだが・・。
こういう場合、男としてどうなんだろ。
「葉子」の彼氏「小田」と対決したいもんなのだろうか?
それはふられた腹いせか?
つーことは余程悔しかったんだな。
「小田」は「桜木」に比べてまさにスポーツマンって感じだ。
バスケに足を踏み入れた「桜木」は、すべてのバスケマンを「俺がすべて倒ーす!」と思っているみたいだから(笑)
と思ったら「小田」も「桜木」と対決したがってるらしい(へぇー・・)


おお、わかったぞ。
「小田」は湘北との試合中に「桜木」のフンフンディフェンスを受けたのだ。
このフンフンディフェンスに度肝を抜かれた「小田」は、かなり精神的ショックを受けたんだろう(ああ、きっとそうだ!)

じゃあ・・何故翔陽戦では、フンフンディフェンスをしなかったんだ?
僕は「桜木」のフンフンディフェンスを見た「藤真」の顔が見たかったのに・・。
今度は是非一試合に一回はフンフンディフェンスを見せて欲しいな。
トップクラスと呼ばれる選手の慄く顔が見たい・・・と思う僕は変だろうか?



その日の夜、ラーメン屋で腹を満たした「桜木軍団」の前に武園の「葉子」が現れた。
そして・・・偶然にも「晴子」にも遭遇。
「桜木」危うし・・。
実はなんてことない組み合わせなんだが、「桜木」にとっては如何ともし難い状況になってしまった。
後で「晴子」の様子が気になって仕方が無い「桜木」だが、まったく心配無用・・。
この場合、「晴子」にヤキモチ焼いて欲しかったのだろうか?
微妙な男心です。
だが「桜木」よ・・・ヤキモチは限度を超えるとこえぇーぞ。
追いかけてる方が幸せだって!
追いかけられるようになったら・・・(南無・・)

2008年8月19日火曜日

Slam Dunk18



「三井」のスリーポイントシュートで、翔陽に追いついてきた湘北だが、状況は相変わらず苦しいものだった。
「宮城」が敵の隙をついてボールを奪っても、「藤真」がすぐに取り返してしまう。
ゴール前ではファウルを恐れて、「桜木」が思い切った動きができない。
翔陽も「桜木」が湘北の弱点になっていることを解かっているので、なおさら「桜木」に圧力が掛かる。
それでも「三井」の勢いは落ちなかった。
「長谷川」が必死でブロックしても、「三井」のシュートスタイルは崩れなかった。
それを「海南」のスリーポイントシューター「神宗一郎」が注目する。
「一度入り出すと止まらなくなるタイプじゃないかな・・。俺と同じかな。」(僕は書き出すと止まらない・・笑)
同じポジションの相手には、誰しもライバル視するものだ。
注目されるというのは分析されるということで、対戦する時には今以上に圧力が掛かる。
しかし、それこそトップを争える相手だと認められたことでもあり、インターハイを賭けて戦う価値があるんだろう。


翔陽は執拗に「桜木」から攻めようと、ゴールを狙ってくる。
ファウルを怖がって手が出せない「桜木」の代わりに、「流川」が手を出してきた。
ボールを弾いて得点を許さなかったが、ハッキングでファウルを取られる。
しかし、翔陽側のフリースローが入らず、「赤木」「桜木」「花形」がリバウンドでボールを取ろうと飛び上がるが、そのボールを「流川」が奪い取る。
速攻で「三井」にボールを投げるが、「藤真」がそれをカット。
弾かれたボールを掴んだ「三井」の目に「流川」が映った。
ギリギリで「流川」にボールを投げた「三井」はそのままベンチに倒れこんだ。
ボールを受け取った「流川」は、速攻でダンクを決めた(この辺りハラハラするなぁ・・)


結局「三井」は試合が続けられず、ベンチに下がった。
ちょっと残念な展開だけど、この時の「安西先生」の言葉がイイ!
「三井くん・・君がいて良かった・・。」
あの動けない状態から奇跡的に立ち上がり、猛攻撃を続けて翔陽に追いつくまで得点できたのは、まさにMVPスリーポイントシューター「三井」の功績だった。
「安西先生」が期待した通りに、その力を存分に発揮した「三井」。
あの気迫が無ければ、湘北はズルズルと押され続けて点差が開いたまま追いつけないでいただろう。
公式戦で負ければ、そこで終わりだ。
悔いが残る過去を持つ「三井」は、この公式戦で悔いの残らない試合をしなければならなかったんだな。


後悔の無い人生なんて無いものだが、後悔だけでは先に進めない。
今、この時に、できることを精一杯やっておかないと、過去に潰されてしまうだろう。
後悔するのは、本来の力を全力で出し切らなかったからであり、結果がどうであれ全力を出し切ったなら後悔はしないものなのだ。
そして、必ずそれをちゃんと見てくれてる人がいるんだ。


さて、問題は「桜木」だな。
まさに今「桜木」は全力を出し切ることができないでいる。
「流川」が口出ししたのは、見兼ねたからだろう。
「なーに縮こまってやがる・・。らしくねぇんじゃねぇの?」(エコー効果付き)
図星を衝かれて、悔しさのあまりコートに頭突きをする「桜木」・・(ありえねぇー)
「いい加減にしろ!お前らの敵は翔陽だ。」
「赤木」が2人の割って入るが・・・。
だが「桜木」が本当にライバル視してるのはたぶん「流川」だろう(晴子の声援を独り占めしたいだけー)


残り時間2分30秒を切った。
翔陽攻撃で、再びリバウンドのチャンスがやってくる。
そのリバウンドを「桜木」が取った。
これで自信を取り戻した「桜木」は、「宮城」にパスを送り「流川」がゴールを決め、湘北はついに逆転する。
この速攻に「藤真」が動揺してしまった。
「藤真」の動揺は、翔陽の動揺に繋がる。
そのため翔陽は勢いに乗れないまま「桜木」にボールを持って行かれてしまった。
そして「桜木」の『スラムダンク!!』
恐らく「桜木」は覚悟をしてダンクを決めたに違いない。
5ファウルで退場になることを・・。


時に・・どんなに不利な状況でも、やらねばならないことがある。
自分を捨てて、何かに立ち向かわなければならないことがある。
何もしないまま燻っていては、いつか後悔という穴に埋もれてしまうだろう。
自分にできることがたった一つであったとしても、全力でそれを成し遂げようとするならば、得難いものを手にするはずだ。
渾身の「スラムダンク」を決めた「桜木」は、その得難いものを手に入れた。
それはきっと言葉で言い表せないものだと思う。


自分のすべてで何かを成そうとした時、身体が・・細胞が・・全身で震えるような感覚。
エネルギーが身体の中で渦巻いているような感じ。
誰でもは経験できない何か・・。
壁をぶち破った者だけが、感じることができる。
もしかしたら、アスリートたちなら解かるのではないだろうか。
無理だと思った壁を自らの力でぶち壊した時、「世界は変わる」のだ。


「桜木」が退場になった後、必死でゴールを死守する湘北。
まるでこの戦いの犠牲になった「三井」と「桜木」の思いに応えようとするかのようだ。
最後はギリギリのところで翔陽がシュートを外し、湘北がそのままリードを守った。
勝敗は紙一重だったと言えるだろうな。
それは控え室で寝ている湘北メンバーの姿を見れば解かるよ(笑)


2008年8月18日月曜日

Slam Dunk17


「藤真」が出てきて、一気に逆転されてしまった湘北。
「宮城」と「桜木」が「藤真」を止めようとするが、シュートを決められた上にファウルを取られる。
翔陽の初めのメンバーだけでは、防御力はあっても攻撃に使えるのは「花形」だけだった。
しかし「花形」は背が高いので、ゴール下を陣取って欲しい戦力だ。
だからポイントガードの「藤真」がリードすることで、攻撃力が増したことは当然だろう。


長身が揃った翔陽メンバーに、テクニックのある「藤真」が入ったことで、湘北は予想以上に振り回されたのだろう。
「三井」はスタミナが切れて、思ったように動けなくなっていた。
それに気づいた「安西先生」がタイムアウトを取った。
一方翔陽では、「長谷川」が「三井」にボックスワンで付くことを決意する(髪型が仙道に似てる・・流行か?)
「長谷川」は、中学時代に「三井」との対決で負けている。
しかし、その後「三井」はグレてバスケから遠ざかってしまったが、「長谷川」はその間猛練習を重ねていた。


ある時、「長谷川」は街中で「三井」が3人の不良仲間とたむろしているのを目撃する。
打倒「三井」を心に刻んで練習してきた「長谷川」には、簡単にバスケを捨てた「三井」が許せなかったんだと思う。
そんな「三井」に自分が負けるわけがない・・・いや、負けるわけにはいかない・・・そう思ったんだろうな。
フラフラな「三井」をガッチリマークして譲らない「長谷川」は、シュートする隙を与えない。
湘北は勝利のカギを握る「三井」のスリーポイントシュートをすっかり押さえ込まれてしまった。


その上、リバウンドを取った「桜木」が、「藤真」にボールを取られまいとして、「花形」に肘鉄を食らわしてしまう。
これで「桜木」のファウルは4回となり、後一回で退場になるところまで追い込まれてしまった。
完全に流れは翔陽に傾いていた。


そして「三井」は崩れ落ちた。
疲労がピークに達して、動けなくなったのだ。
メンバーが心配して駆け寄っていく。
「これが俺の姿か・・・」
過去に頂点を極めた者は、その後大概下降線を辿っていく。
それはプライド・・あるいは驕りが原因で、本来の自分を見失ってしまうからだろう。
一番大事なのは、今の自分の実力を発揮することだ。
こういう時に必要なのは、初心に帰ることじゃないだろうか。
純粋にボールを追っていた時のことを思い出せばいい。
「三井」が常に心の支えにしてきたのは、「安西先生」の『諦めちゃいかん』という言葉だった。
それを思い出した時、「三井」の目の色が変わった(ちょっと怖い・・)
「こういう時でこそ、俺は燃えるヤツだった。」
底力のある人は、逆境になればなるほど肝が据わって来る。
それはどん底(地獄)を知っているからだ。
地獄から這い上がってきた者は、たとえどんなことが身に降りかかっても、立ち上がることができる。
「桜木」の「蚊がいる」・・と同じだ。
ダメージが芯まで届かないんだ。
痛みや苦しみは一過性のものだと解かっていれば、耐え切った後に反撃ができる。
もし耐えることができずに諦めてしまったら、そこで終わりだ。
だから「安西先生」の言葉が、「三井」を奮い立たせるんだろうな。


相手のファウルで「三井」にフリースローのチャンスが与えられる。
少しでも休んで体力を温存しておきたいところだが、「三井」はすぐにボールを放つ。
勢いとか流れというのは、待ってくれないものだ。
「三井」は自分の中の闘志という勢いに乗るため、時間稼ぎを拒んだんだろう。


「三井」が三本のフリースローを決めて、湘北が追い上げる。
そして無謀にもオールコートで、翔陽に当たってきたのだ(大丈夫かいな?)
この時の「三井」の気迫が尋常じゃない・・(長谷川気迫負けしてる・・)
もしかして「三井」も「目で殺す極意」の持ち主か?
たぶん不良時代に習得したものと思われる(やはり影でいろいろやってたな・・コイツ)
あっさりボールを奪い返した湘北は、「宮城」から「三井」にパスが渡ってすぐ、スリーポイントシュートを決めた(はや・・)


時に人は、精神が身体を凌駕することがある。
普通なら動くことさえままならない状態でも、異常なほどの気迫を持っていれば、考えた以上の力を出すことができる。
まさにこの後の「三井」の快進撃は、精神力で勝ち取ったと言えるだろう。
それはもちろん「安西先生への恩返し」と湘北チームを全国へ連れて行くという当初からの強い思いからだった。
何のために自分はここにいるのか・・・。
「三井」がその答えを出すためには、自分自身が全力で動くしかないのだ。


それにしても、スリーポイントシュートが入った時の「三井」は、イイ顔するねー(笑)


2008年8月17日日曜日

Slam Dunk16


翔陽は湘北を甘く見ていた・・・と言っても、湘北を甘く見てなかった学校なんてなかったよ(笑)
だってついこの間出来立てホヤホヤのチームですから。
大体が有名校有名選手がマークされるはずで、普通は無名の弱小校を一々チェックしないと思う(彦一くらいだろ・・)
たぶんたまたま嵌るような選手が短期で集まっただけで、実際は物凄く荒削りなチームなんだと思う。
でも、それだからこそ油断という罠に皆一回は嵌るんだ。
だとすれば、実力が表に出た時点で相手の油断を勝機に持っていくことは困難になるだろうね。


思った通り、今度は翔陽の「花形」がその実力を見せ付けるプレーをする。
思わず立ち上がった「藤真」も、それを見てまた座ってしまった。
慌てることはないと思ったんだろうな。
メンバーも「遠慮するな。」という「花形」の言葉に息を吹き返した。
この後も圧倒的な強さを見せる「花形」に「赤木」も圧倒されてしまう。


しかーし、「花形」の見事なリバウンドを見て、一人で自分の世界に浸りつつある男がいた。
『リバウンドを制する者はゲームを制す』
「桜木」・・・また良からぬことを考えているのか・・・。


ゲームの前半が終わる直前のゴールで、追い込まれた湘北が意地を見せる。
「花形」の撃ったボールに食い付いた「赤木」の指が微かに触れ、リバウンドのチャンスを作る。
そこへ一斉に飛び付いた選手の中に、一際高くジャンプした「桜木」の手がボールを捕まえる。
そして前半終了の合図。


とにかくギリギリのところで抑えた湘北だったが、皆疲労の色が濃くなっていた。
しかし、「桜木」だけは「晴子」のところで励ましを受けていた(ゲンキンなやつだ・・)
たぶん控え室にいるより、「晴子」に激励されていた方が元気が出るんだろう。
それを分かっているのかいないのか・・・「晴子」も「すごいわ!」を連発。
とうとう「桜木」を調子付かせてしまったのだった・・。
いかん・・・何か不吉な予感がする。


後半戦が始まり、調子付いた「桜木」にボールが渡る。
そのままシュート・・・だが、入らない(汗)
そして「自ら取ーる」。
この「自ら撃ち、自ら取ーる」の連打攻撃に、さすがの「花形」も驚きを隠せない(笑)
「何か変だ・・あいつ・・動きが・・予測がつかん・・。」
ちょっと得体の知れない生き物に遭遇したような反応をする「花形」だった(可哀想に・・)
人は理解不可能な生物に出会うと恐怖を覚えるという・・。
湘北のメンバーのほとんどが不良から転向してきたヤツばっかりだからな。
考え方や価値観、行動の選択は、自分流で判断している。
つまり、バスケとはいえそれぞれのプレーは彼らの生き方そのものだから、バスケ以外のことがバスケに影響していると言える。


外国で活躍するバスケ選手に黒人が多いのは、運動神経が優れていることもあるが、その生き方がバスケに反映されているのではないだろうか。
あらゆる意味で生きることの執念みなたいなものがあって、それでしか得られない何かがバスケにはあるんだと思う。
陵南の「福田」という選手のように、ストリートに設置されたリングに向かって、したくてもできなかった悔しさなんかをぶつけていたり・・。
「桜木」も「宮城」も「三井」も、挫折というものに何度も潰されそうになった経験がある。
だからいろんな局面を打開するための一種の本能みたいなものが、試合中の行動に表れるんだよ。
「桜木」みたいな妙なヤツほどプレーが面白く見えるけど、それは基礎のない彼なりに必死で考えた結果なんだと思う。


この後、こぼれ球を次々にリバウンドで拾っていく「桜木」に、驚異的な運動能力を認める「花形」だったが・・。
第41話後半、「藤真」が再び立ち上がる。
とうとうメンバー交代を決意したらしい。
翔陽のエース「藤真」が出ると聞いて「海南」「陵南」が揃って観客席に現れた。
「藤真」は湘北に逆転され気落ちしている翔陽チームの尻を叩いて喝を入れる(いや、もしかしてお仕置きか?)
「海南が見てるぞ。」
海南と聞いただけで、翔陽チームの闘志が一気に燃え上がった(どんだけー?)
ベストメンバーとなった翔陽は、ポイントガードの「藤真」が湘北を翻弄し、あっさり得点してしまう。
選手としての「藤真」は、ベンチで監督している時と違って、闘志むき出しの熱血漢だった。
もしかして、湘北メンバーと似た性質なんじゃないのか?
眼つきも凄く鋭いし・・・あ・・・まさか「目で殺す極意」を持っているんじゃ・・(桜木危うし・・)


2008年8月16日土曜日

Slam Dunk15


「彦一」が注目していたのは、ポイントガードの「宮城」だった。
同じように身長が低いことで、「彦一」自身が目指すことができるバスケのヒントを「宮城」が持っているような気がしたのだろう。
誰もが「宮城」の存在価値を軽く見ていたようだが、それが間違いだったことはすぐに証明された。
確かに長身同士のパスには手が出せないが、バスケはそれだけでボールを運ぶものではない。
一度「宮城」がボールを持ったら、持ち前の早業ですり抜けていく。
目線が低いということは、ディフェンス位置の穴が見え易いということであり、それが長身の選手には分からないんだろう。
いい選手というのは、自分のいい面も悪い面も分かっている。
試合では、悪い面を補う自分のいい面を引き出さなければならない。
自分の力を最大限に発揮するためには、すべての悪い面を転換する必要があるんだ。
「宮城」はそれを瞬時に判断して、翔陽のデカさの弱点を突いた攻撃をした。


それともう一つ。
どんなに有利な資質を持ったチームであっても、気の緩みが思わぬ落とし穴になってしまう。
つまり、相手を軽く見るという油断が相手に攻撃する隙を与えてしまい、試合の流れを変えられてしまうことがある。
この後、「宮城」からパスをもらった「桜木」が得点するが、これは2人を甘く見るという油断がもたらした結果なのだ。
もちろん「宮城」の瞬間的に状況判断する力があったからではあるが・・。


バスケをする者のほとんどが、初めは自分に最適なポジションとプレーの可能性に迷う。
「彦一」も陵南というチームの中で、自分にベストなプレーがどんなものであるか模索していた。
そして「宮城」のプレーを見た「彦一」は、自分に無いものを羨望するより自分にできる可能性をポイントガードというポジションに見つけたのだろう。
「彦一」はさっそく「宮城」を師匠としてついて行く決心をしたようだ(要チェックやぁ!!)
こんな風にいい選手は、知らないところで誰かに影響を与えている場合がある。
自分の技を磨くことも重要だが、それを見せるということもまた大事なことなんじゃないだろうか。


そして「宮城」のフェイクが利いて更に得点を上げる。
湘北が勢い付いたところで、翔陽がタイムアウトを取る。
湘北に傾いた流れを引き戻し、対湘北における作戦の変更のためだが、「藤真」はまだベンチから動こうとしない。
陵南の「田岡監督」によれば、「藤真」が翔陽の要であり、それが選手として出ていない限り翔陽はまだベストではないらしい。
つまり、「藤真」が選手として出て初めて翔陽の真の力が発揮されるというのだ。


翔陽は作戦通りディフェンスゾーンを変え、切り込まれないようにしている。
これでは「宮城」も上手くパスが回せないだろうと読んだんだな。
しかし、またここでも翔陽の見落としが原因で、思わぬところから得点が奪われることとなった。
「三井」」のスリーポイントシュートだ。
つまり、翔陽は「三井」も甘く見ていたんだな。
MVPが過去であろうとなかろうと、「三井」は復帰直後から実力を発揮している。
実は、不良やってるフリしながらこっそりどこかで練習していたんじゃないか?・・・と思わせるほどブランクが無かったわけだ(笑)


いくら切り込まれないように中を固めても、外からシュートできるなら、このディフェンスゾーンは意味が無くなる。
「三井」のこのスリーポイントシュートによって、翔陽は湘北を押さえ込む手立てを失った。


そして、ついに「藤真」が動いた。
立ち上がってジャンパーを脱ぐ「藤真」・・・(たぶん暑かったんだろう・・・え?)


Slam Dunk14


翔陽相手に苦戦する湘北だが、その原因はやっぱり「赤木」にあったみたいだな。
「赤木」がいつもの冷静さを失っていて、それが他のメンバーを動揺させていた。
本当なら「赤木」がチームをまとめなければならないはずだが、内輪もめの中に入ってしまっている。
「三井」も得意とするスリーポイントシュートが撃てなくてイライラしてるし、「桜木」はいつものように口の方が動いてる始末。
そして、翔陽のデカさに思ったような攻撃ができない「宮城」。


そんな停滞ムードを変えるのが第38話の「流川」だ。
チームの中で唯一冷静にものを見ていたのは彼だけだった。
メンバーの不甲斐なさに業を煮やしたのか、「流川」が自らボールを取りに行く。
そして翔陽のディフェンス2人の間から、ボールを入れて得点してしまった。


あまりに見事な速攻に、会場が息を呑んだ。
もちろん「流川親衛隊」は半狂乱気味に歓喜している(汗)
と思ったら「晴子」まで・・・。
すっかり「流川」の思惑通りになってしまったようだ。
恐らく「流川」は、自分が一番目立つチャンスを伺っていたのだろう。
何となくこれで「流川」が何を考えているかが分かる。
一見クールに見えるが、実は口下手な分行動で自分の意思を表すタイプらしい。
必ず一試合に一度は、会場をあっと言わすようなプレーをしたいという彼なりの美学があるのだ。
そのためには、夜遅くまでする練習も苦にならないと思われる。


予想通り、この時敵だけでなく味方まで「流川」のプレーに度肝を抜いた。
しかし、「流川」のこの個人プレーは味方のメンバーから不評を買う。
恐らくその原因は「流川」の顔にあるんだと思う。
「藤真」や「花形」に顔のコンプレックスを刺激されて思った動きができない「赤木」や、小さいことがネックになっている「宮城」、過去とのギャップを指摘された「三井」・・。
「桜木」は・・・いつものように何もできないまま試合が進んでしまっているし・・。
その各自の欠点が試合に影響しているというのに、「流川」だけそういうものに惑わされてない。
とりあえず顔もイイし、背も高い。
一年の中では期待のルーキーと称されている。
それがすべて気に入らないんだな・・・後の4人は・・(笑)


一気に闘志が燃え上がった4人。
その直後のプレーは、今までと打って変わったように勢い付いていた。
ああ、わかった。
もしかして、本当のライバルは、翔陽じゃなくて「流川」なのか・・。
なんか戦う相手間違っているような気が・・。
たぶん湘北というチームはお互いが競り合うことで、勢いに乗ることができるんだろう。
やっぱ、何か違うな・・このチーム・・。
ちょっと道を踏み外せば、お笑い芸人になっている可能性が・・。
そうだな・・・例えば「ザ・プラン9」とか・・「超新塾」とか・・。


この湘北を「彦一」が観客席から熱い視線を送っている。
「流川」には羨望の眼差しを・・・。
そしてもう一人・・「彦一」は何かを期待している風だった。


2008年8月15日金曜日

Slam Dunk13

miurin_4601
miurin_4601 posted by (C)KAZU

四回戦も立て続けに5ファウルで退場になってしまった「桜木」は「退場王」という地位を確固たるものにしたのだった。
これにはさすがの「桜木」も落ち込んでしまったのだが・・。
退場してしまったら、どんなに練習を積んでも活躍することはできない。
「赤木」から教えてもらった「目で殺す極意」も、その場限りのでまかせだと気づいた。
きっと「赤木」は冗談のつもりだったんじゃないかな?
あんまり近道をしたがる「桜木」には、こういう冗談でも言っておかないとやる気を出さないからな。
予想通りバスケの練習より極意の練習の方に力を入れていたようだし・・。


しかし「桜木」には、唯一「赤木」から太鼓判を押された「リバウンド」がある。
長身とそのジャンプ力で、ゴール下を制してくれれば、素人同様であってもチームの戦力になると思ったんだろう。
こぼれ球を拾うというのは一見地味に見える。
つまり行為としては、シュートしたボールのサポートをするということだからだろうな。
でもこのサポートが完璧にできるなら、相手陣地のボールを入れるリングを一回り大きくしたことと同じことで、得点の確率が格段に高くなるということなんだ。
逆に自分たちの陣地では、リングの大きさを一回り小さくすることになり、相手側の得点の確率を低めることになる。
これを使わない手はない。


さて、いよいよシード校の翔陽と対戦することになった湘北だが、皆かなり緊張しているようだったね。
「赤木」と「桜木」は目の下に隈作ってるし、「三井」はトイレが近くなってるし・・(笑)
しかし・・申し訳ないが、アニメで露骨にトイレシーンを描かないで欲しい。
おまけに・・・「出ねぇ・・。」という台詞も却下したい。
と、思わず動画を指差してツッコミ入れたくなったのは、いろんなことを想像しちまったから・・。
そこへ翔陽の選手が入ってきて、何やら「三井」の悪口を言っているようだった。
それを聞いて奮起する「三井」だったが・・・。


翔陽の応援は、人数が多いこともあって、会場内が熱気で溢れている。
その雰囲気に呑まれてしまったのか、「赤木」が試合開始早々にファウルを取られてしまう。
たぶん・・・相手チームの選手がカッコ良かったからだろう(きっとそうだ・・)
「藤真」と「花形」は、今までの対戦校にはいないほどのハンサムだ。
「藤真」は選手兼監督も務めているので、ハンサムなのにしっかりしている。
監督が選手として活躍すれば、チームの士気も上がるんじゃないかな。
戦略やものの見方が、選手と食い違い難いんだと思う。
もちろん他の監督より経験が浅いし、二重の責務を負うことになるので、デメリットもあるんだろうけど。
しかし、それを補うに値するほどの翔陽選手のデカさ。
このデカさだけでも、有利であることは間違いないだろう。


そのせいだと思うが、湘北の選手の動きが固くなっている。
今まで対戦してきた相手には、常に「赤木」のようなゴリ顔がいた。
綾南の「魚住」や、三浦台の「村雨」と「内藤」など、「赤木」にとっては親近感のある顔ばかりだった。
それが今回の翔陽にはない。
何か、自分たちとは違う次元にいる相手のような気がしたんじゃないだろうか。
ここで思わぬ「赤木」の弱点が露呈してしてしまったな・・。


しかし、湘北には意外にもそれに対抗できる人物がいる。
翔陽の「花形」に対して、闘志を燃やすヤツが・・・。


2008年8月13日水曜日

Slam Dunk12


インターハイ予選の三回戦だというのに、「三井」と「桜木」がベンチ入りしていなかった。
「桜木」はともかくとして(寝坊が理由だし・・)「三井」が時間に遅れるとはいったい・・。
その前日に病院で診察を受けた「三井」は、帰り道で「テツオ」に会っている。
その時、「テツオ」は何気に「三井」を応援(?)している風だったが・・。
本当は引き止めたかったに違いないんだ。
長い間つるんでいたわけだし、今までとまるきり違う道を歩き始めた「三井」に対して少なからず寂しさも感じていたはずだと思う。
それでも、「三井」が本来の自分を取り戻して活き活きしているのを見たら、黙って見ててやりたくなったんだろうな。
実は「テツオ」自身も少し変わってきたのかもしれない。


ところが、第35話ではまた暴力沙汰に発展してしまっている。
湘北体育館での騒動が原因で、「三井」が抜け「テツオ」は単独行動をしていた。
しかし、今まで仲間だった「リュウ」が、今度は「テツオ」を締め上げるために襲ったのだ。
「リュウ」はせっかくバスケ部襲撃の助っ人として出向いたのに、話を持ってきた本人が寝返ってしまったのに腹を立てた様子だった。
不良仲間でも体面というか筋というか・・そういうのがあるだろうから、「リュウ」の気持ちも分かる。
だからさ・・・早目に手を打っとけば良かったんだよ。
「堀田」と一緒に「リュウ」も誘ってデニーズに行って、フルコースデザート付きでも奢ってやればこんなことにはならなかったんじゃないか?(たぶん・・)
こういう場合、一度手を出したら引っ込み付かなくなるからな。


これから試合だっていうのに、「三井」もボコボコに殴られてるし・・。
そうだ!・・・「リュウ」もバスケ部に誘えば良かったんじゃないか?
つるんでた仲間がバラバラになっちまったから、腹いせにこういうことするんだよ。
いっその事、不良グループ全員バスケ部に入部すれば、誰も文句言えないだろう?
そして、暴力の代わりにお互いをしごき合うってのはどうだ?(エネルギー有り余ってるみたいだから・・)
そうなれば泣く子も驚く、最強不良バスケ部の誕生だ。
だいたい湘北バスケ部のスタメン自体その傾向が強い。
恐らく、違和感は無いだろう。


リンチはエスカレートしていくが、「テツオ」はこの時「三井」を庇うんだな。
そして二度目のダウン・・。
テツオが鉄パイプで殴られるとは・・・(もしかして・・ダジャレ?)
「三井」は逃げ出せない状況に追い込まれ、土下座を強要される。
それならと、あっさり土下座する「三井」。
しかし、土下座したのに許してくれなーい(そりゃないぜ・・三井蒼白)
そこにお約束の「桜木」登場・・絶対狙ってるだろ・・。
仲間をけし掛けて「桜木」を殴らせるが、ダメージを与えられずただ怒らせただけだった(第25話見てなかったのか?)
怒った「桜木」が相手の襟首を掴んで持ち上げた。
「桜木!止めろ!・・お前が一発でも殴ったら・・・おしまいだ・・。」
こう言って「三井」が「桜木」を止めようとするが・・・。
えーと・・おしまい?おしまいって?・・・相手が?(詳しいことは第25話を・・)


相手の身を案じ(?)躊躇する「桜木」を見て、チャンスとばかりに殴ろうとするところへ「桜木軍団」が登場。
「お、お前ら・・(俺の出番を・・)」
「桜木」の悲痛な叫びも虚しく、トドメに「高宮」のケツ圧攻撃で「桜木」ダウン・・。
手を出せない「桜木」は鉄パイプで遊ぶしかなった(モップと同じ運命か・・)
そこで閃いたのが「ディフェンスの極意」・・。
「目で殺す・・目で殺す・・目で殺す・・・・・・・」
こんなところで役立つとは・・・さすが「赤木」・・こうなることを予測していたのか?


しかし・・・「目で殺す極意」が試合で活かされることは・・・なかった・・・。

Slam Dunk11


次の試合でも退場に追い込まれた「桜木」だった(あちゃあ・・)
バスケットのファウルは、大概微妙な判定で取られることが多い。
明らかに意図的な行為が分かるものと、守備範囲を出るか出ないか紙一重のものとある。
「桜木」はまだ初心者の域を出ないような試合経験しかないので、どこまでという境界線を判断することができない。
特にゴール下は相手チームと縺れ合い、プレーもエキサイトしがちだ。


「桜木」は悔しかっただろう

確かに経験も浅く、技術も未熟だが、単にメチャクチャなプレーをしているわけではない(と思うけど・・)
せっかく推薦してくれた「晴子」や彼を見込んで出場させてくれた「安西先生」をガッカリさせるようなことはしたくないと思ったんだな。
だから恥を忍んで「赤木」の家まで行って相談したんだが・・。
返ってきた言葉は、自己分析と経験あるのみ・・・。
それを聞いた「桜木」は、そんなの慰めにもならないと思ったんだろう。
でも・・夜遅くまで練習をしている「流川」を見つけた時、少し解かったんじゃないかな?
上手くなるのに近道はないんだ・・。


この前「田臥勇太」選手の公式サイトを覗いた時、「NIKE」のCM用に撮影された映像があった。
それを見て、やっぱり上手くなっていった人は必ず恐ろしいほどの練習を重ねているんだと改めて思ったよ。
何十回、何百回、何千回、何万回・・・毎日練習を重ねていって、やっと辿り着ける境地がある。
才能や資質よりも大事なものがそこにはあった。
「三井」のスリーポイントシュートが入るのも、「宮城」のドリブルテクも、「流川」の速攻プレーも、「赤木」のダイナミックなダンクも・・すべては数え切れないほどの練習をしてきたからだ。


僕もそうだけど、人は早く成果を出したくてどうしても近道をしたがるものだ。
だけど、毎日の積み重ねがなければ、まるで柱の無い家みたいに簡単に崩れてしまう。
特にスポーツは体全体でプレーの感覚を身に付けていくから、体に沁みこむほどの練習が必要なんだ。
僕がバスケットボールを初めて手にした時、意外にも物凄く重く感じたよ。
それを軽々と持ってシュートするまでは、やっぱり毎日ボールを手にして自分の体の一部だと思えるくらいの練習が必要だった。
バスケをしたことがある人は解かると思うけど、ドリブルする時ボールを見てはいけないんだ。
目線は常に周りの状況を見渡していなければならない。
だから、ボールが手に貼り付いているような感覚でドリブルしながら前進していく。
この感覚が身に付いてないと、ドリブルしてるつもりがボールだけどこか別の方へ転がっていってしまうんだ(桜木もやってたな・・笑)
フェイクも同じだと思う。
選手たちのプレーを見てると、簡単にやってのけてるけど実際はかなり難しいことだよ。
基礎あればこそ、揺るぎないプレーができるんだろうな。


しかーし、「桜木」はどうしても近道をしたいらしい(笑)
「赤木」に極意を教えろとしつこく迫る。
仕方なく教えた極意は・・・「目で殺す」・・・ってこれはバスケの極意じゃねぇじゃん。
いやしかし・・・そうか・・「三浦台」の選手が強面だったのは、この極意を練習していたからか!!!
確かに気弱な選手には、有効かもしれん・・。


だが・・はっきり言って、いくらこの極意をマスターしてもバスケは上手くならんと思う・・。