
時間が無くなっていく中で、湘北は何とか海南ディフェンスを切り崩そうとするが・・・。
しかし、一歩も譲らない海南。
「宮城」がゾーン内に切り込んで行こうとするが、中に入り込めない。
そこへ「三井」が強引に攻め込み、リバウンドを「赤木」と「桜木」に託した。
時に強引さも必要なんだな・・。
競った状態でチャンスを作るには、その均衡を破る勢いがなければならない。
「三井」が作ったチャンスを何とか活かそうと、ゴール下のポジション争いに拍車が掛かる。
しかし、「桜木」は思ったポジションを確保できなかった。
ボールはリングを外れ、ベストなポジションを取った海南がボールを取るかと思われたが・・・。
そこへ走ってきたのは、「宮城」だった。
「宮城」は下からボールを弾き、それを「桜木」がキャッチする。
残り時間20秒。
「宮城」直伝のフェイクで、「桜木」は海南ブロックを回避し、ダンクを決めた。
この時の勢いは「牧」をぶっ飛ばしたが、ファウルは海南側に取られた。
「桜木」のプレーに湘北チームは歓喜する。
ここ一番ってとこで、ダンクが決まると気持ちいいもんだな。
「桜木」もすげー嬉しそうだ(笑)
頭を撫でられてニコニコしてる様子は、まるでワンコロみたいだね。
観客席で見ていた「仙道」も「桜木」のプレーには目を見張った。
「俺が牧さんの立場でもああしただろ。 アイツはなんか勝負したくなる気を起こさせるんですよ。」
「牧」が無理をしてまで「桜木」を止めようとしたのは、勝ち負けを計算することより純粋にバスケをプレーしたかったからじゃないかな?
ここで勝負しなければ、「桜木」と勝負するチャンスはそんなに無いだろう。
たぶん「牧」は一人のバスケットプレーヤーとして、本能的にそう感じたんだと思う。
次のフリースローでボールを外せば、リバウンドで再度攻撃のチャンスを掴むことができる。
「桜木」がバスケを始めたきかっけは「晴子」がいたからだが、いつの間にか「赤木」の持つ全国制覇の情熱に心を奪われていたんだろうな。
自分勝手にプレーしているようで、実は「桜木」の中に湘北チームのメンバーの一人であることが試合を重ねる毎に染み付いていってんだと思う。
「ゴリが必ず取る。」
「赤木」を信頼して、「桜木」はボールを放った。
ボールはリングに弾かれ、「赤木」がそのボールを掴んだ。
すぐさま「三井」にパスされ、渾身のスリーポイントシュートを放った。
入った・・・・と思われたボールは、リングの脇に当たり跳ね返る。
それは数秒間の出来事だった。
「桜木」は必死にリバウンドを取って、「赤木」にパス・・・・したはずだったが・・・。
この辺り・・・・もう何も言えんね(泣)
最後のチャンスが失われた瞬間、パスした相手が海南の「高砂」だったと気づく。
試合終了。
90対88・・・湘北は海南に敗れた。
しかし、なんだね。
海南の「高砂」って選手の頭・・・・「赤木」の頭にそっくりなんだよな・・(汗)
わざと?・・・・・じゃないよな。
ありゃあ、めっちゃ悔しいだろうな。
「桜木」、ショックのあまり顔がグチャグチャになってるし・・。
なんか天国から地獄に逝ってしまったような衝撃的シーンだ。
だけど、この結果は純粋に海南が強かったってことだろう。
湘北も頑張ったけど、僅かに及ばなかったんだよ。
負けることは悔しいけれど、悪いことだけじゃないんだ。
負けることで、自分の足りない部分が解かるということがある。
強いものと戦うってことは、自分の足りないものを見つけられるってことでもある。
本当に強くなるためには、その足りないものを補い修正していく必要があるんだ。
だから、次に戦う時に勝つことができるような自分になればいい。
・・・・なんて言っても、今の「桜木」には慰めにもならないかもな・・・。
自分のせいで・・・という自責の思いはなかなか拭えないだろう。
そうだ! 「赤木」の頭を違う髪型にしてもらうとか・・・。
誰もしてないような髪型に変えれば、同じ過ちは犯さないはずだ・・・。
例えば・・・アフロとか(髪の毛が足りないか・・)
下手するとパンチパーマになるかもしれんしな。
全力で戦って、負けたんだ。
誰も「桜木」を責めたりしないよ。
むしろあの泣き顔は・・・見ていた全部の人の胸に焼きついたんじゃないかな。
よく男泣きするって言うけど、普段泣かないヤツが泣くと見てる方が辛いもんだ。
あとは自分で立ち直るしかないんだが・・・。
「三井」の時もそうだったよ。
泣きたい時は、思いっきり泣いていいと思う。
怒ったり笑ったりするのと同じで、泣くのも人間の感情の一つなんだから。
泣いた後って、不思議と冷静になっている。
混乱した頭から、フラストレーションが流れ出てしまうからだろうか?
泣けるほどいい試合をしたんだよ。
泣けるほどそこに深い思いを持っていたんだよ。
そんな風に思って欲しいな・・。
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